|
1959年、若い写真家6人によるセルフ・エージェンシー『VIVO』が設立された。メンバーは川田喜久治、佐藤明、丹野章、東松照明、奈良原一高、細江英公である。目的は写真家自らの経済的利益と創作上の環境整備であり、お互い独自の表現を尊重し、独創性、創造性を最も重視する写真家共同体であった。彼らは、その前、1957年写真評論家・福島辰夫企画による日本の現代写真の新たな突破口を開いていこうとする第1回『10人の眼』展に参加する。これがきっかけとなり、VIVO設立へと繋がっていく。なお、VIVOとはエスペラント語で“生命”を意味する。 戦後日本の写真は、報道写真が主流をなし、1950年に入って土門拳、木村伊兵衛らによって「リアリズム写真運動」が展開される。1950年代後半から前述の『10人の眼』展を契機として、より私性をこめた表現活動が展開されていく。この6人の写真家はVIVO時代の前後を含めて、それぞれユニークで衝撃的な作品を発表し、日本写真界に新風を巻き起こし、写真家として大きな評価を得ていく。 VIVOは1961年解散する。しかし、僅か2年間ではあったが、日本の写真表現に多大な影響を及ぼした集団として、日本現代写真の流れの中で、いまなお重要な位置をしめている。また、今日においても、この中の多くの写真家が日本を代表する写真家として活動を続けている。 写大ギャラリーでは、1981年、日本で初めて6人の写真家による『VIVO展』を開催し、この時の作品をコレクションとして所蔵している。今回、26年ぶりに同展を新たな構成で企画した。出展する作品はVIVO当時のもの、或いはそれに極く近い時点での制作である。 展示作品は、川田喜久治『地図』、佐藤明『冷たいサンセット』『サイクロピアン』他、丹野章『サーカス』『アーティスト』、東松照明『NAGASAKI』、奈良原一高『王国1、2』、細江英公『おとこと女』『薔薇刑』のシリーズから構成している。
|