大学広報誌えんのき No.42.2004年 冬号01

工学部学科再編成

 この度大きく生まれ変わる東京工芸大学工学部は"つくる・つたえる・テクノロジー"を新しいキーワードとしています。そこには、新生工学部がものづくりのための技術(つくるテクノロジー)と、情報伝達のための技術(伝えるテクノロジー)をカバーすることと共に、東京工芸大学ならではの特色ある教育を通して、「新たなテクノロジーをつくり出し、その面白さを学生たちに伝え、社会に発信」しようとする意図も含まれています。
 可能性に満ちあふれた、21世紀のテクノロジーの世界。本学に集う学生の皆さんがそこで大きく生まれ変わることのできる「学び」の世界を構築したいと考えています。

最先端技術をめぐる劇的な環境の変化に対応し、学科編成を大幅に刷新

工学部長 大塚正男

 21世紀を迎え、日本をはじめ世界における産業構造が大きく変化してきました。特に、情報メディアやコンピュータ、ナノテクノロジーなど、最先端技術をめぐる環境は劇的な変容を迎えています。こうした状況を受けて、東京工芸大学工学部は本年4月より、現在の学科編成を大幅に刷新し、建築学科を除く4学科を再編して、新たに「メディア画像学科」「ナノ化学科」「コンピュータ応用学科」「システム電子情報学科」をスタートさせることになりました。
 新学科体制では本学工学部の得意分野である情報メディアやコンピュータ関連の教育を、時代に合った形に強化します。そして、ナノテクノロジーや環境・エネルギーなど、時代をリードする最先端分野の教育をカリキュラムに反映させていきます。建築学科は名称こそ変わりませんが、教育の内容や体系を大幅に見直し、これからの時代に対応します。
 東京工芸大学には文部省(当時)が推進していた「平成9年度ハイテクリサーチセンター」にいち早く選定された連携最先端技術研究センターをはじめ、私立大学としては最大級の風洞を備えた風工学研究センターや、ナノ科学研究センター(ともに文部科学省の学術フロンティア推進拠点に選定)があります。更に、世界をリードする研究教育拠点として、平成15年度には大学院建築学専攻の「都市・建築物へのウインド・イフェクト」が21世紀COEプログラムに採択されました。先端分野の研究は、これら研究センターにおける活動が核となりますが、学部教育にも反映させることにより、工学を学ぶことに対する動機付けにも大きな効果が期待できます。
 更に、学生の興味や好奇心を尊重し、それらを大きく伸ばす教育や、具体的な切り口を示すことにより理解を助けるカリキュラム、さらにはリメディアル(補習)教育などの学習支援システムについても充実を図っていきます。
 このように新しい時代に必要とされる、いわゆる社会の人材ニーズに応える知識を持ち、かつ、意欲に富んだ専門技術者を育成したいと考えています。

新学科紹介

メディア画像学科

 マルチメディアはいろいろな種類の情報を扱います。その情報のなかでも画像は非常に大きな情報を扱っており、その役割はますます重要になりつつあります。メディア画像学科は本学工学部のルーツでもある光情報メディア工学科(旧写真工学科)と画像工学科(旧印刷工学科)の伝統と知的資産を受け継ぎ、最先端のメディア工学の教育と研究を目的としています。メディア画像学科ではCGアニメーション、感性情報処理などのコンピュータグラフィックス分野、ディスプレイ、色彩・映像表現などのメディア画像システム分野、VR(バーチャルリアリティ)、立体表示、画像処理などのイメージ情報分野、光システム、レーザ応用などの光メディアシステム分野の教育と研究を展開します。

ナノ化学科

 「ナノ」は10-9(10億分の1)を表す接頭語、つまり原子や分子で代表される極微の世界を意味します。21世紀は極微の世界をリードする最先端技術創成の時代であり、今後の新素材や新薬の開発、エネルギーや環境問題の解決は、この技術が鍵を握っていると言えます。「ナノ化学」は原子、分子を操作、制御することにより、新規な性質や機能を持つ材料の開発並びに人類に役立つ技術を指向する分野です。「ナノ化学科」はこのフロンティア技術(ナノテクノロジー)に対し、化学の分野から貢献できる技術者を養成すべく、周到に用意されたカリキュラムのもと、この技術の基礎から応用までの知識を身に付け、新素材、エネルギー、環境、バイオなどの研究分野で能力を十分に発揮できる教育を目指します。

建築学科

 建築学科は、他の学科が再編され新たな体制で再出発するのにあわせて、来年度から大幅なカリキュラムの改訂と教育体系の改革を行います。まず、建築全般をバランスよく学べる従来からの教育体系に加え、1年次にも多くの専門科目を配置して、「建築」することを夢見て入学してきた学生のモチベーションの持続・高揚を促します。同時に、建築デザインコース、構造デザインコース、環境デザインコースからなるコース制を導入します。これによって、建築各分野におけるスペシャリストとしての基礎を十分に涵養し、社会に出て即戦力となりうる人材の養成を強化します。また、多くの有力大学をおさえて平成15年度に採択された21世紀COEプログラム「都市・建築物へのウインド・イフェクト」の教育・研究拠点を風工学研究センターを基盤にして形成し、この分野におけるトップ研究機関としての評価を不動のものとします。

コンピュータ応用学科

 コンピュータは、今や、ありとあらゆる学問分野や人間生活の場面において、必要欠くべからざる道具となっています。コンピュータ応用学科では、このような時代を背景に、その目標を「あらゆる問題解決の武器となりうるコンピュータを自在に活用できる技術・技能を有する人材の育成」におき、以下のように実用性重視の教育を実践します。1. 低年次では、コンピュータ操作の習得と、コンピュータ活用の基礎となる勉学に重点をおきます。2. 高年次では、特定の応用分野・課題における高度なコンピュータ活用の体験を通して、深い実用的知識が身につくよう指導します。3. 様々な資格取得に役立つ講義を系統的に配置して学習目標を明確にし、学力の確認に役立てます。

システム電子情報学科

 身近な携帯電話や家電製品にも見られるように、現代の技術システムはIC化、モジュール化、ユニット化が進み、同時に機能の多くをソフトウェアに依存するなどハードウェアとソフトウェアとが複雑に結合して高度な機能を実現しています。本学科の目指す教育の特徴は、エレクトロニクスを「常に具体的な用途を持ったシステムの構成技術」という観点から捉え、その構成技術がどの部位にどのような形で利用されているのかを明確にイメージしながら学んでいくところにあります。机上の理論ではなく、「ものづくり」に役立てるという観点から、ハードウェアとソフトウェアの基礎知識、それらを展開できる応用力をバランスよく身に付け、創造力のある人材の養成を行います。

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