大学広報誌えんのき No.46.2005年 冬号01
キャンパス オフロード ミーティング 東日本大会優勝
モーターサイクルクラブ(MCC)
2005小林学長からのメッセージ
個性輝く、魅力ある大学を目指して ~学友会本部役員が学長に聞く~
川 村
学長に就任されて初めての新年を迎えられたわけですが、学長としての抱負をお聞かせいただきたいと思います。
学 長
学長としてやるべきことは、すでに決まっています。本学では中期計画として5つの大きな目標を立てています。それは「1.個性輝く大学 ?魅力ある教育を行う大学 2.社会ともにある大学 3.経営のしっかりしている大学 4.前進する大学」を目指すということです。これらを実現するために、それぞれ具体的テーマがあります。今年もそれらを力強く押し進めてゆきたいと思っています。今、大学は極めて厳しい時代を迎えています。私は若い時から本学で教員を務めてきましたが、学内の教員から学長になったのは私が初めてです。これは、改革を進めなければ時代の流れに取り残されてしまう、改革を進めていくには本学のことをよく理解している人間がリーダでなければならない、という想いが多くの人にあったためだと考えています。したがって私はその期待に応えられるよう、懸命に努力していく覚悟でおります。
野 内
工学部と芸術学部という2つの学部があるのが本学の大きな特徴であり魅力だと思いますが、工学部と芸術学部の融合についてはどのようにお考えでしょうか。
学 長
芸術学部は5学科ありますが、そのすべてが工学的技術を応用して表現する芸術です。現在、新しい芸術文化がどんどん生まれていますが、その多くはコンピュータの最新技術を使っての芸術といえます。つまり工学部で研究した成果を最大限に活用することで、芸術学部は、より人に感動を与えるような作品を制作できるわけです。工学の人は芸術の人のニーズをつかんで技術を開発しなければなりませんし、芸術の人は工学を理解し、何を表現したいのかを工学の人に伝える必要があります。お互いのコミュニケーションを良くし、工学と芸術の接点にあたる知識をもつ人材を育ててゆきたいと考えています。このため工学部と芸術学部が共同して行う活動を助成し、促進することをすでに2003年から始めています。
川 村
東京工芸大学をさらに魅力ある大学にするために、私達学生にどのようなことを望まれますか?また、最近の学生について、どのように思われますか。
学 長
「魅力ある大学」とは非常に幅の広い言葉ですが、大学としては、ここ数年間厚木キャンパスの新校舎建設や整備に大きな力を注いできました。そして今後は中野キャンパスの整備、施設の充実に力を入れていきたいと思っています。ただ、施設だけを立派にしてもだめですね。最近の学生にはおとなしいというか引っ込み思案の人、人と上手くつき合えない人が増えてきているようです。キャンパスがもっと元気のいい学生達で満ち溢れることが大事です。そのために生身の人間同士がぶつかり合って活動してもらいたいと思います。学友会の主催する学園祭、七夕祭、三校戦、駅伝大会などのイベントに積極的に参加する学生がもっと増えればいいと思いますね。
野 内
学長の学生時代は、どのような学生でおられたのでしょうか? また、どのような夢をお持ちでしたでしょうか。
学 長
小さい頃は近所の仲間達と外で遊び回っていましたね。建築を志したのは高校生の頃からです。ダムや橋などの大きな建築物を作ってみたいと思っていました。それらは土木の領域なのですが、空気がどう動くかという「風工学」に大学で出会ってからはずっと風工学分野の研究を行っています。ただ、例えば橋でも一番力が加わるのは風ですから、仮に土木の領域に進んでいても最終的にはここに行き着いていたかもしれませんね。建築というのは、さまざまな分野の人が意見をぶつけ合い、知識を全て統合して建物を作るわけですから、皆で協力しないと何も仕事ができないのです。ですから、人と協力する習慣が自然に身につきましたね。最近の学生を見ていると、どうもその辺が苦手なようですね。人が一人で出来ることなどほとんど何も無い。出来たとしても大したことは出来ないということを解ってもらいたいですね。
川 村
大学間の競争が激しい時代だと言われていますが、東京工芸大学が他の大学より勝っているところ、つまり本学の魅力はどのような点にあると思われますか。
学 長
本学の自慢は教授陣ですよ。すごく高いレベルの研究を行っている先生が多いのです。東大と比べても負けないと思っています。さらに、そういった先生達がそれぞれ懸命になって学生達とつき合おうとしている。学生の個人的な相談にも乗っている。つまり、学生と教職員の関係が近いことだと思います。規模の大きな大学では考えられないことです。そんな本学の魅力をもっと外部の方々にも知ってほしいと思っています。
野 内
最後に、学長の信条について教えてください。そして東京工芸大学の学生にメッセージをお願い致します。
学 長
私の信条は「人の役にたつ」ということです。これをいつも心に置いています。そして「実践躬行」が私の座右の銘です。これは自ら進んで実践するという意味です。最近は考え過ぎて結局何もやらなかったり、何もやらないうちから分かったつもりでいたりする人が多いですね。情報は過多だけれど自らは動こうとしない。でも、本当は実際にやってみて初めて色々なことが見えてくるものです。少しでも興味を持ったらそれをやり始めてほしいと思いますね。そして続けてほしい。上手くいかない時は方法を変えてやってみればいいのですよ。勉強や研究もある時期までは忍耐力をもってやり続けることが大事です。そのうち自分の成長が実感できるようになり、楽しくなってくる。大学でやったことはこれからの長い人生の基礎となっていきます。少しでも興味を持てることに出会ったら是非それをやり続けて下さい。
