大学広報誌えんのき No.49.2005年 秋号01

えんのき表紙

中野キャンパス4号館屋上にて(中野祭実行委員会メンバー)


留学生が見たニッポン

本学には現在53名の留学生が学んでいる。 その多くは中国、韓国などのアジアの仲間達だ。故郷を離れ、 この東京工芸大学で学ぶ彼等が見て感じた日本を本音で語ってもらった。

真実を伝えるために  Huo Shan na(映像学科)

私は将来マスコミ関係の仕事に就きたいと考えています。それは今のマスメディアのあり方に大きな疑問を抱いているからです。
日本での中国人の犯罪率が多いという報道を聞く度に、同じ中国人として本当に悔しく思います。それと同時に中国人の印象が悪くとられるのがとても悲しいのです。日本で犯罪を犯す中国人はごくごく一部であり、多くの中国人は正義感を持った真面目な人たちなのです。それを日本のマスメディアは伝えきっていない。残念なことです。そして日本ではテレビをつければセレブだなんだと物質的なことばかりに囚われ、それをもてはやすような番組ばかり放送しています。自殺率の増加、深夜の繁華街で騒いでいる青少年達の報道を観ると、日本はこんなにも豊かなのになぜこうなってしまうのだろうと考えさせられます。豊かすぎるからでしょうか。まるで社会全体が病んでいるようです。
「倫理があるようでない社会」それが私の日本に対する印象です。けれども一方で徹夜をしながら一生懸命働いている日本人を私はたくさん知っていますし、優しすぎると思うほど暖かいハートを持った日本人もたくさん知っています。だからこそ私は国境を越えて、本当の世界はこうなんだと伝えられる人間になりたいのです。現実とのギャップがある情報の偏りを、正していけるようになりたいのです。これが日本で勉強し、ジャーナリストを志す私の使命だと思っています。

ロボット先進国で「ドラえもん」を創りたい  Lee Bit Noo Lee(コンピュータ応用学科)

みなさん驚かれるのですが、僕は日本のアニメーションを観て日本語を覚えたんです。1日10時間くらい観ていた時期もありましたから、自然に日本語が身についていきました。アニメーション高校に通い、日本のアニメを夢中になって観ているうちに日本がどんどん好きになっていきました。
僕がこの大学に入学した目的はロボットの研究をするためです。高校でコンピュータを学び、1年間ゲーム制作の会社に勤務しましたが「何かが足りない」と思うようになりました。もちろん韓国にも優秀な研究者はたくさんいますし、研究施設も数多くあります。でも世界一のロボット技術を持っているのはやはり日本です。東京工芸大学は施設も整っていて自由に研究できる環境がいいですね。世界一のロボット先進国の日本で研究できることをとても誇りに思っています。
僕の夢は頭の中にあるイメージのロボットを作り上げることです。それを実現できる環境であれば、国や企業などのフィールドは問いません。僕にとってはそれ程重要なことではないのです。僕の頭の中にあるイメージのロボットとは、一言でいうと「みんなの友達」のようなロボットです。人工知能があり、感情を持っている夢みたいなロボット。ちょうど「ドラえもん」みたいな感じですね(笑)

Take It Easy !  Ian Diego(メディア画像学科)

「日本の悪いところは?」と聞かれても、僕にはそれが見つからないですね。インドネシアと日本との文化のギャップがあっても、それは決して悪いものではないです。インドネシアの若者はみんな同じ方向に向かっている感じですが、僕の印象では日本はその反対ですね。ファッションや音楽、趣味趣向がみんな違ってバラバラなように思えます。それは新鮮でとても面白いです。
僕は何ごともすぐ受け入れ、順応できるタイプなので、生活上違和感を感じる場面もほとんどありません。日本への留学を決めた時も、家族や友達と離ればなれになることもすぐ覚悟ができました。「日本で新しい友達を作ろう」ってポジティブに考えました。実際この大学生活では多くの友達に恵まれ、楽しい毎日を過ごしています。
現在、留学を考えていたり、海外に憧れを持っている人たちにアドバイスをするならば「気楽に行こう」ですね。もちろん留学をするのであれば、しっかりとした意志を持って勉強をすることが大事ですが、あまり頭だけで深く考え過ぎると、不安だけが膨らんで行動に移せなくなってしまいます。自分と違う人種だからだとか、自分の語学力はどうだとか、物怖じしてるとただストレスが溜まるだけになって、かえってマイナスになってしまいます。僕の生き方にタイトルを付けるとするならば「自由」でしょうか。あとは気楽に、TAKE IT EASY !

胸にあるのはコリアン・プライド  Jung Min Kyoung(メディアアート表現学科)

イエス・ノーをはっきり言わない。それが日本の文化なのでしょうが、他国からきた私達には話の中心をずらしてする会話や、イエス・ノーをはっきり言わない日本人がじれったい。今ではだいぶ慣れましたが、最初の頃は初対面でもいきなり友達のような感覚で話しをする人にも抵抗がありました。韓国では初対面の人や年上の人には敬語で話しをするのが当たり前なので、人間関係でのカルチャーショックは大きかったですね。
私は将来Web関連事業を興したいと考えています。ライブドアのような会社です。韓国のWeb事業は日本よりも発展しているところもありますが、韓国とは違う日本の整ったシステムに魅力を感じています。この日本でビジネスのノウハウを学び自分の将来に役立てたいと思っています。東京工芸大学で学べることは自分のやりたいこととマッチしているので日本への留学は正解だったと思っています。
私のベースにはいつも母国、韓国のためという意識があります。若い私達が頑張って韓国を引っ張っていかなければという使命感を持っています。私は世界で学び、吸収したことを韓国の発展のために活かしたいのです。両親は離れて暮らす私の事を心配していますが、怖いと思ったことは一度もありません。怖かったらはじめからこういう生き方は選んではいませんから。

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