工学と芸術の連携

工×芸=∞

本学は、「写真技術の振興によって、国家の発展に貢献する」ために設立された小西写真専門学校が出発点であり、現在は工学部と芸術学部の2学部を有する、他に例を見ない特色ある大学です。写真技術とは、正に真実をありのままに写し取る技術であり、それを用いて美的価値を創造(芸術)しようとする精神にあっては、工学と芸術学とは本来不可分のものと考えられます。そして現在、写真も含めた様々なメディア技術が発達し、それを用いて真実・心象を写し取り、変換し、表現し、伝えることが可能になりました。

このように相互に関連する「工学」と「芸術学」のコラボレーションから、新たな研究や表現を生み出すために、両学部の連携をさまざまな形で推進しています。

工・芸融合科目

工学と芸術学が融合した科目群として、どちらの学部の学生でも履修できる「工・芸融合科目」を開設しています。様々な分野での「工・芸融合科目」を履修することによって、視野の広い技術者・アーティストになることが期待されています。

工房 [1年次前期または後期]

一般的に「工房」は作業スペースをイメージされる方が多いと思いますが、本学の「工房」は正規の実習科目として単位認定されるのが大きな特色です。この「工房」には本学ならではの4つの分野「マンガ工房」「アニメーション工房」「ロボットラボ」「模型スタジオ」が設けられ、それぞれ専用スペースで授業を行います。工学部の学生でもマンガを描いてみたい、芸術学部の学生でもロボットを作ってみたい、そんな好奇心を満足できる楽しい授業が受けられる、本学ならではの制度です。

ロボットラボ

前半は板金工作およびPICマイコンと赤外線センサを搭載したロボットカーの製作を行い、後半はLEGO MindStormNXTを用いて独創性の高いロボット製作を行います。

マンガ工房

マンガ制作の基本から勉強し、3か月で8ページ程度のマンガを描くことが目標です。著名な漫画家を講師にお招きして授業を展開します。

模型スタジオ

ジオラマ模型の制作を通し、建築模型をベースとした基礎技術の修得を目指します。そして制作模型の写真撮影を行い、表現の可能性を探ります。

アニメーション工房

動かす面白さを制作を通して学び、世界のアニメーション作品を見てアニメーション脳を豊かにする、体験型ワークショップです。

3DCGスタジオ

3DCGの実制作を通じ、3DCGの基礎となる知識と技術を習得します。ソフトウェアを用いてコンテンツを制作し、他者に自分のイメージを伝達する能力を習得することを重視します。

知性と感性を学ぶ [1年次前期]

工芸大生としてのアイデンティーを高め、今後の学習を動機付け、その方向性を明らかにすることを目的としています。

アート&サイエンス概論 [1年次後期]

具体的な作品実例の中に、技術とアート表現が非常に深く関わりがあることを広く学び、現代アートの多様な表現の可能性を考えていきます。

工・芸制作演習 [2年次夏期集中]

両学部生の共同作業により、実際の作品を設計・製作し、ものづくりの基本を学ぶことを目的としています。また、共同作業を通して、コミュニケーション能力や表現スキルの向上も目指します。

照明のテクノロジーとデザイン

照明は、工学と芸術にまたがる分野であり、そのひとつの典型です。本授業では、照明の分野を概観しながら、工学と芸術が融合した観点や考え方などを理解することを目指します。

学生による工・芸共同研究 ― Co-G.E.I.チャレンジ※

工学部と芸術学部を持つという本学の特徴を活かし、工・芸両学部の学生が協力して行う研究を推進しています。学生から提出された申請書とプレゼンテーションをもとに、学長を委員長とした審査委員会が審査し、支援する活動を決定します。学部や学科を超えた、新しい価値の創造にチャレンジしています。

これまでに採択された活動の一部

  • ロボットコンテストでの入賞を目指した自律型ロボットの製作
  • パーソナル・ファブリケーション -ツールキット・デバイスを用いた作品制作と評価-
  • 学外ラリーへの参加を目指す完全自作による電気自動車の製作
  • 光・水・映像が生み出す神秘的な地球再現プロジェクト
  • 映画制作「偽装誘拐事件」制作委員会
  • アニメーションと立体視の融合
  • 親しみの湧くメディアアート作品の制作

※Co-G.E.I.......「Cooperative Good Educational Innovation」(協同して取り組む、優れた教育的革新)の頭文字をつなげた造語

教員による工・芸共同研究

両学部の教員が協力して実施する工・芸共同研究も実施しています。これまでに採択された研究題目はいずれも、芸術的な表現活動と工学的な技術研究を組み合わせた、先端的なテーマとなっています。研究成果の一部には、新しい試みとして授業に取り入れられているものもあります。

これまでに採択された研究題目の一部

  • 色の保存と修復の研究
  • 新しい小型移動体コンセプトの策定とこれを実現する電気駆動系の開発
  • アーティストが容易に利用できる入出力デバイス技術のパッケージ開発
  • 参加型インタラクティブアート作品におけるコンピュータビジョンのライブラリ開発
  • 芸術的・工学的価値の高い微小立体構造物の構築