学長室

学長挨拶

 東京工芸大学は、1923年(大正12年)に写真の技術と芸術表現という新しいメディアを修得する小西写真専門学校を前身として発足しました。以来86年、現在では工学部5学科、芸術学部6学科4コース及び大学院2研究科を擁し、学生総数約5,000名の総合大学へと成長してまいりました。これもひとえに、地域の皆様、本学卒業生を受け入れていただいております企業の皆様をはじめ、ご父母・卒業生の皆様など多くの方々のご支援とご鞭撻の賜物と深く感謝申し上げます。
 18世紀後半にイギリスで起きた産業革命は、ある意味では人間が豊かに生きるための運動でした。その運動は人間の素朴な欲求が平等にしかもスピーディに満たされる大量生産、大量消費時代をもたらしたと言えます。私の青年時代も車やテレビなどを入手するために一生懸命に働き、それに生きがいをも感じたいわゆる「古き良き時代」でした。
 しかし、現在の私達をとりまく環境や経済情勢は、かつてない深刻な事態を招来しております。自然環境の危機的状況や未曽有の恐慌などはその顕著な例です。利便性と経済性のあくなき追求が自然の秩序を破壊し既存の原理を混乱させ、本当に大切なものを失わせつつあるように思います。現代のデジタル化された社会は、文明の恩恵と同時に、崩壊しつつあるものもはっきり見せ始めるようになり、新たな価値観が問われていると言えます。
 このような時代である今こそ、「人間・私」をテーマに、教育の現場において若き学生にやさしさや創造性、オリジナリティの意味を考えさせることの必要性を強く感じております。
 本学は工学部と芸術学部を併せ持つという他に類を見ない特色あるユニークな大学です。この特色を活かし、今後も時代や社会のニーズに応じて教育内容の充実と改革に積極的に取り組み、常に時代をリードする社会に有用な大学として皆様のご期待に応えてまいりたいと思います。
 どうか今後とも引き続きご支援とご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

学長:若尾 真一郎

学長:若尾 真一郎


学長:若尾 真一郎(イラストレーター)の略歴

略歴
1942年 山梨県甲府市生まれ
1967年3月 東京藝術大学美術学部工芸科
ビジュアルデザイン専攻卒業
1969年3月 東京藝術大学大学院美術研究科
デザイン専門課程
ビジュアルデザイン専攻修士課程修了
1991年4月 高澤学園創形美術学校 校長
1994年4月 東京工芸大学教授(芸術学部)
1998年4月 同 大学院芸術学研究科教授(併任)
2003年4月 同 芸術学部長
2008年4月 同 学長
表彰
第8回国際ユーモア・アートビエンナーレ金賞(イタリア・1975年)
日本グラフィック展年間作家賞(1987年)
著書
作品集「女または帰ろの歌」自費出版,1969年
作品集「The Big Show」S√4スタジオ発行,1972年
作品集「S氏の休日」S√4スタジオ発行,1973年
作品集「ノラの再婚」田村隆一作,若尾真一郎絵,TBSブリタニカ,1979年
作品集「GIGA・戯画」,用美社,1994年
(1970年から1994年にかけて作品200点を収録した作品集)
作品集「DIARY」セイコーエプソン㈱,2003年
公職
日本グラフィックデザイナー協会会員
東京イラストレーターズ・ソサエティ会員