倉持りえ写真展:グレーの森 (卒業生写真展 6/19~6/25)

2006年に写真学科を卒業された倉持りえさんの写真展「グレーの森」がフレームマン・ギンザ・サロン ミニギャラリーで開催されます。是非ご覧ください。
会期 2015年6月19日(金)~ 2015年6月25日(木)
10:00~19:00(初日は12時~,最終日17時まで)
会場 フレームマン・ギンザ・サロン ミニギャラリー
〒104-0061 東京都中央区銀座5-1 銀座ファイブ2F
?:03-3574-1036
 大地とは、山の噴火物が堆積したり、海底が隆起してできている。結局のところ海面上から飛び出していて、私たちが足の裏をつけることができる全てがそれである。それには領土という概念は存在しない。領土は人間の都合によって分割されたもので、もともとは大地であり、地球の表層にすぎない。

 日本には、絶えず噴火している火山を据えながらも、有人である島がいくつかあり、私はその中の一つに何日間か滞在したことがある。ある朝、私はその島の森が、色味がなくなってしまったような、グレーの色に染まっていることに気がついた。秋でも植物が生い茂るその島には、紅葉などは見あたらず、季節はずれの雪にしては早すぎる。試しにグレーがかった木の近くに寄ってみると、葉っぱからサラサラとグレーの粉が舞い降りた。

 グレーに染まって見えていたのは、火山灰がそこら一片に降り積もっていたからであった。

 その島の火山は、時には花火があがったような大きな音と共に、一日に何度も噴火することがあり、噴かれて出てくる火山灰は風に乗って、その森を、その木々をグレーに染めてゆく。そこには領土による境界線はなく、すべてがわかりやすく平等な大地であり、平等な森であった。そして火山灰によってグレーに染まり、色彩による距離感が失われたその森は、私の目にはひどく美しく映ったのだった。