「第14回おおた研究・開発フェア」へ出展 工学部越地教授

2024年10月10日(木)と10月11日(金)の両日、「第14回おおた研究・開発フェア」(会場:コングレスクエア羽田・PIO PARK)が開催されました。
公益財団法人大田区産業振興協会が主催するこのイベントは、大学等研究開発機関や企業の持つ最先端の技術シーズ等を展示し、大田区企業のみならず、日本産業全体の技術革新や新産業分野への参入などイノベーションに結びつける展示会です。来場者と出展者との産学連携や新製品・新技術開発等を促進されることを目的としています。今年度も昨年に引き続き、「羽田イノベーションシティ」を舞台に開催し、100小間(93社・団体)が出展しました。
本学からは、工学部工学科電気電子コースの越地 福朗教授が下記の内容で出展しました。

【出展タイトル】
「外観デザインと調和する超広帯域透明アンテナ」

【技術概要】
本研究では,金や銀などの金属薄膜をITOなどの誘電体薄膜でサンドイッチした誘電体-金属-誘電体積層構造を用いて、ガラスのように光学的に透明なアンテナを実現しています。本研究室で成膜したITO 300nm/Ag 5nm/ITO 30nmを用いた試作アンテナにおいて、76.7 %の光学的透過率と81.4 %の放射効率が得られ、高い放射効率と高い光学的透明性を両立できることを示しました。特に、得られた80%以上の放射効率は、携帯機器やウェアラブル機器に内蔵される小型アンテナと同等であり実用的です。本研究によって得られた透明アンテナは、外観デザインと調和(デザインと機能を両立)するなど、次世代の無線通信における新しい技術的可能性やデザイン親和性を提供することができます。

【想定される活用例】
本研究の成果によって、窓やガラス・めがねなどの透明なものに透明性を維持したまま、外観に影響を及ぼすことなく、アンテナを付加することが可能となります。

プレゼンを行う越地教授
展示外観
大学院生の佐々木さん

研究者URL:https://www.t-kougei.ac.jp/gakubu/engineering/staff/#kosidhi
越地教授は、研究プレゼンと展示ブースの2つの形態で出展いたしました。研究プレゼンでは、越地教授が登壇し、研究開発した透明なアンテナの実物の紹介があり、多くの参加者が足をとめて立ち寄り、関心を示してくださっていました。展示ブースでは、越地教授と大学院生の佐々木由紀さんが説明にあたりました。越地教授は、今回の展示会にあわせて事前に研究内容に関するプレゼン動画をアップしており、関心度も高かったこととから、ブースへの来場者は100名を数え、今後につながる情報共有や研究紹介、議論の機会が得られました。産・学・官の連携など、今後の共同研究などにつながることが期待されます。

越地研究室のウェブページ
https://www.gen.t-kougei.ac.jp/koshijilab/index.html

第14回おおた研究・開発フェア
https://www.pio-ota.jp/ota-r-and-d-fair/