東京工芸大学芸術学部フェスタ2021電子図録

42 VR ヘッドセットを使用した360度映像は、テレビや映画のようなフレー ムのある平面の映像よりも高い臨場感を提示することができる。一方、 360度すべての情報を鑑賞者の頭部位置に対応して表示できるため に、複数のカットが存在する360度映像では鑑賞者が混乱するとも言 われている。本研究では、360度映像を観る鑑賞者が、実際にはどのよ うな視聴行動をとる傾向があるかについて視線データから検討した。 実験では、VRヘッドセット(VIVE PRO EYE: HTC社)を装着した被 験者が、3DCGソフトで制作した1分48秒の360度映像を観察した。観 察中の映像表示、視線データの収集、分析には視線分析ソフトを使用 した。実験条件は、提示映像(カット割有、近接映像、俯瞰映像)と観察 姿勢の要因(起立姿勢、着座姿勢)を組み合わせた6条件を設けた。結 果、360度映像観察時の視線は、話者に向けられることが示唆された。 2001年 大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。同年 通信・放送機構高度 三次元動画像遠隔表示プロジェクト国内招聘研究員。2003年 東京農工大学産官学連携研究員。同年 東京 工芸大学助手。2006年 同大専任講師。2011年 同大准教授を経て2016年から同大教授。現在、映像情報メ ディア学会映像表現&CG研究会委員長、芸術科学会誌論文委員。立体視知覚の研究に従事。 芸術学部フェスタ2021 FESTA-18 研究ポスター 映像学科 名手久貴 NATE Hisaki 360度映像の鑑賞態度について -鑑賞者はどこを見ているのか- 図1 実験で使用したエクイタングラー形式の映像。実際 には、V Rヘッドセットを装着した被験者は、図4から図6の ような映像を観察した。

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