デッサンとかデザインとか

アニメーション学科ではずっと作画をしたり、アニメーションを作っているわけではありません。
デッサンを学ぶ事もあるし、色彩について学ぶ事もあります。
絵を描く事は決してアニメーターになってほしいからというわけではないので、「アニメーターを目指していないからデッサンは要らない」と言われても困りますし、色彩もまた「背景美術や彩色は自分のやりたい事じゃない」で片付けるものではありません。
例えばもし監督(演出)を目指すのに視覚的なイメージがなかったら?。色のイメージがなかったら?。画面を見て構図の何がいいか悪いかの判断がつけられなかったら?
それらはネットや本を読んで得られる知識面だけで足りるのでしょうか?
そして、「描くの苦手なんです。」で終わらせていいのでしょうか?

絵が上手くなることや色彩感覚が身に付くことで損をする事は何もありません。 レイアウトを考えるのにも、コンテを描くにも、キャラデザを考えるのにも、様々な場で基礎的な力は大切になっていきます。「自分でやらない」つもりでも、相手に指示を出すために自分が理解出来ている事がものすごく大事です。

ところで1、2年生のデッサンや基礎技法、デザイン演習などの授業時間だけでデッサンや色彩の勉強はOKなのかと言えば、それだけでは足りません。学科では様々に学ばなければなりません。だから時間を捻出しながら自主的に勉強を続けていく事が求められます。食堂で休む学生仲間でも、電車内で立っている乗客(迷惑をかけないように!)でも、小さなクロッキー帳があれば数分で1枚描けると思います。

授業だけで済まそうと考えてしまえば、気がついたら「自分のストックが足りない!」 という事態に陥る事があります。しかし慌ててデッサンやクロッキーをやったところで、一朝一夕で手は慣れないし、上手くなれません。
かつては3、4年生がゼミ室で自主的にクロッキー会を開いているのを1、2年生も見る事が出来ました。ダブルキャンパスの今はそれが出来ませんが、下級生も仲間で集まって放課後に人物クロッキーをしあうような事をどんどんしてほしいです。描いたそれを教員に見せればきっとアドバイスをしてくれるはずです。
教室や先生はそうやって活用して下さい。

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ダブルキャンパスに関して

先日オープンキャンパスが行なわれました。
そして各地方での学校相談会も行なわれ始めておりますが、芸術学部のダブルキャンパスに関して気になる話を耳にしたのでお知らせします。

本学芸術学部では、1、2年生が厚木キャンパス、3、4年生が中野キャンパスで学んでいます。
各説明会等でも来校、来場された方にはそのように伝えられていると思いますが、「近いうちに芸術学部全学年が中野キャンパスに移るという話をされた」とお話しになる方が複数名おられました。

大変申し訳ありませんが、率直に申し上げまして、そのような事実はございません。
中野キャンパスに移る事を見越して中野近辺に入学直後に住まれると、そこから本厚木までの通学は結構困難になります。中野キャンパスと厚木キャンパスは、電車、バスを利用して1時間以上かかる距離です。
あくまでも3年生になってから中野キャンパスで学ぶ事になりますので、この件につきましては充分ご注意下さい。

カテゴリー: 1・学科/学校紹介, 8・オープンキャンパス/入学希望

領域研究・曽根隼人さん

Hayato Sone Photo6月9日にに行われた授業、「領域研究」。今回のゲスト講師には、4thFILM代表取締役で映像ディレクターやプロデューサーとして活躍されている、曽根隼人さんが来て下さいました。授業は早速、曽根さんがプロデューサーを務めるEテレの「テクネ 映像の教室」や「びじゅチューン!」の上映から始まりました。アイディア豊かな数々の映像は、どれもワクワクする楽しいものばかりです。

Hayato Sone Photo続いて曽根さんは、ご自身の学生時代の3つの大きな失敗についてお話しされました。卒業して社会に出て、やがてフリーランスとして独立したものの最初のうちは全く仕事が無く、昼も夜もアルバイトで稼がなくてはならない時期があったのだそうです。
やがてそんな曽根さんに、大きな転機が訪れます。それまでは人と接するのが苦手で、人見知りで大勢の人の前で話すことなど全くの苦手だった曽根さんですが、あるCMディレクターが打合せの時に言った一言が胸に刺さり、自分を変えなくてはいけないと気付いたのだそうです。

Hayato Sone Photoデジタル映像機器の急速な発展も後押しして、一人でも映像作品を作ることが可能な時代になって来ました。デジタルカメラを購入した曽根さんは、それからどんどん映像を作り、積極的に人と接して自分を売り込む努力を続けました。

Hayato Sone Photo映像が見られるメディアも、急速に変化してきています。スクリーンやテレビ画面ばかりで無く、パソコンやタレット、スマートフォンの画面など、新たな映像コンテンツが求められる舞台は確実に増えています。そこで仕事をしていくために必要なことは、まず「映像を作る」こと、そして積極的に人と接していく「コミュ力」であると曽根さんは仰います。

Hayato Sone Photoそして最後に見せて下さったのが、左の写真にある「ゴールデンサークル」。一番小さな内側の円には「why」、次の中くらいの円には「how」、そして一番大きな外側の円には「what」と書かれています。曽根さんはコーラのCMを例に挙げて、映像はこの「why」に迫らなければ人の心に届かないというお話をされます。「what」の部分で、「これは〇〇コーラです」というだけでは何も感じません。「how」に対して、「この〇〇コーラはとても美味しいです」というのでも、まだ弱い。肝心なのは「why」で、「なぜ〇〇コーラが良いのか」「なぜ〇〇コーラであるべきなのか」と迫っていけば、そこで初めて見る人の心を動かすことが出来るというのです。
この3つの重なった円の図は、人間の脳の構造と同じなのだそうです。人は脳の中心部にある脳幹で「why」を考えるのだそうで、そこで感動も生まれるのだそうです。

かつては人前で話すのが苦手だったなどとはとても信じられない、曽根さんのとても楽しい授業でした。終了後も、何人かの学生が曽根さんの前に次々に質問に押しかけていました。曽根さんと、同じ4thFILMの濱田洋輔さんは一人ひとりに丁寧に対応して下さいました。お忙しい中、本当にありがとうございました。

カテゴリー: 2・授業紹介, 三、四年生

6/11オープンキャンパスin中野【実施内容のお知らせ】

Illustration : 卒業生 植草航
アニメーションを学びたい皆様の来場をお待ちしています!
■学科説明・AO入試説明 ポートフォリオ制作アドバイス
1)  10:30-11:00
2)  12:30-13:00
・2号館 2F  2201教室
学科説明の後、AO入試I期、II期の課題「ポートフォリオ」について詳しく解説いたします。
■アニメーション制作体験
・2号館 3F アトリエ3
プロが使っている用具を使用してアニメーションの作画を行います。描いた絵が動く楽しさを体験しましょう。
■アニメーション学科作品展示
・2号館 1Fメディアラウンジ/3F廊下
アニメーション学科の学生作品や教員作品をパネルやモニタを使用して展示をします。
■卒業制作上映
・2号館 B1F マイブリッジシアター
アニメーション学科歴代の卒業制作作品を一挙上映
■アニメーション学科施設紹介
・2号館 1F アニメーション サウンドスタジオ  アニメーション 撮影スタジオ
アニメーション制作で使用する専門教室を見学することができます。
■アニメーション学科個別相談
10:30-16:00
・2号館 3F  アトリエ2
AO入試相談やデッサン等持参作品講評、AO入試合格作品展示を行います。
■在学生との談話コーナー カフェ★アニメーション
・2号館 1F   メディアラウンジ
在校生が学科のあれこれお話しします!
◉スタンプラリー
アニメーション学科のイベントを回って4つのスタンプを集めた方に景品を差し上げます!
カテゴリー: 1・学科/学校紹介, 8・オープンキャンパス/入学希望, 9・イベント情報

6/11オープンキャンパスin中野

今週の日曜日に中野キャンパスにて芸術学部のオープンキャンパスが開催されます。
アニメーション学科は2号館です。
学科紹介、AO入試の相談、ワークショップなどを行います。

サウンドスタジオも見学可能です。(声優体験的な環境というよりも、映像における音の効果、演出の勉強に使われる場所です)

*写真は昨年OCから。

わからないことはまず、教員や学生に相談してください。アニメーションを作るために学ばなければいけないことが様々あります。決して簡単ではありません。
だから「絵を描く必要はあるのでしょうか?」「パソコンを使いますか?」といった初歩的な質問から、「こういう仕事に就きたいのですが・・」「描いた絵(作品)を見て欲しいです」といった内容でも構いません。
大学入試は大事な選択ですので、わからないまま進むより、まず知ることが大事です。

カテゴリー: 1・学科/学校紹介, 8・オープンキャンパス/入学希望

1年生表現基礎(動物園撮影実習)

毎年恒例の動物園の季節です。
アニメーション表現基礎では後期に行なう動物の動きの使用したアニメーションのために多摩動物公園まで動画撮影に行きます。

多摩動物公園には本厚木から電車を乗り継ぎます。 旗はSA(student assistant)による手作り。

動物の前でカメラと三脚を用意。動きが分かりやすいとどうしても学生が集まります。一般のお客さんの邪魔にならないように。

人気に便乗。

真剣にやってます。

キリンとシマウマの喧嘩

動物園実習は「遠足」でもあります。大学で遠足?という向きもあるかもしれませんが、長い学生生活なので交流は必要です。お互いを知り、今後の学習につなげていってほしいです。

カテゴリー: 1・学科/学校紹介, 2・授業紹介, 一年生

中野の様子(ゼミ)

1ヶ月ほど前の様子ですが、中野キャンパスの様子です。
金曜日はゼミを行っています。

橋本研究室は夏に毎年恒例岡山県真庭市勝山でイベントに参加します。そのため、4月から5月初旬はスローペース。この日は外で参考になりそうな展覧会を見に行っていました。戻ってきて休憩しているところです。

三善研究室の前期は三善先生のライフワークとも言える『上手(かみて)からと下手(しもて)からで歩きの見え方は違うのか』の検証を行ないます。

木船・城戸研究室はアニメーションデッサンをしつつ、映画を見てそれをダイジェストにまとめる課題。

渡辺・小栁研究室は模写です。

細川研究室はとりあえず作ってます。

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「演出Ⅱ」課外授業

Shinagawa Photo3年生向けの演習科目「演出Ⅱ」では、先日「幕末太陽傳」(昭和32年、川島雄三監督)を上映、鑑賞しました。今回のテーマは「考証」です。文久2年の東海道品川宿に実在した「相模屋」(通称『土蔵相模』)を舞台にした「幕末太陽傳」は日本喜劇映画史に残る傑作ですが、この作品の中でどれ程緻密な考証が行われていたのかを知るため、実際に今の品川宿に行ってみようということで、5月20日の土曜日、品川宿巡り課外ハイキング・ツアーが行われました。

Shinagawa photoまずは品川駅に集合して、「文久2年には、皆さんが立っているこの場所は海でした」というところから出発。ゴジラが最初にぶち壊した建造物としても有名な八ツ山橋を渡って東海道品川宿に入ります。因みに文久2年の10年後には日本で最初の鉄道が開通します。その時線路を通すために八ツ山を削リ、そして運び出した土砂で遠浅の海を埋め立てて品川駅を建てました。だから八ツ山橋は、日本で最初の立体交差なのです。

Shinagawa photo京成線の踏切を渡って程なく、かつて土蔵相模があった場所に到着。そこは現在マンションで、1階はファミリーマート北品川店です。歴史の舞台のイメージと身近なコンビニエンスストアのミスマッチに、学生たちは皆一様にポカンとした表情。映画に登場する、高杉晋作らによる英国公使館焼き討ちも、更に彼らが土蔵相模に集っていたことも史実ですが、映画のシーンで二階から焼き討ちを見物する人々が視線を向けていた方向に、英国公使館があった御殿山があることも、ここから見るとよく分かります。

Shinagawa photo真夏のような陽気なので、熱中症には要注意。せっかくなので(記念に?)土蔵相模跡のコンビニで各自冷たい飲物を仕入れ、更に街道を下っていきます。途中ちょっと脇に外れていくと、そこには映画のラストシーンで、佐平治が杢兵衛大盡に無理矢理連れて来られる、お墓のシーンに登場する海蔵寺があります。江戸時代ここはいわゆる「投込寺(なげこみでら)」といわれ、鈴ヶ森の刑場で処刑された囚人や無縁仏が弔われましたが、品川遊廓の娼妓の大位牌も祭られているのだそうです。

Shinagawa photo歩行新宿から北品川宿、そして南品川宿と、一つの宿場町なのにかなりの距離があります。そこをようやく通り抜け、青物横丁駅に近付いたところに、「千躰荒神」を祀る海雲寺があります。映画の中でもこの荒神さまのお祭りのシーンが登場しますが、護摩堂(本堂)は60年前の撮影当時そのまま。iPadで本堂前のシーンを流しながら見比べると、地べたに近い位低い位置から撮っていたことが分かります。ここでは平蔵地蔵にもお参りしました。

Shinagawa photoそして最終目的地の、品川区立品川歴史館に辿り着きました。ここには大森古墳に始まり、原始・古代から現代にいたるまでの品川の歴史を学べる様々な展示があるのですが、中でも江戸時代、東海道第一の宿場町として栄えた品川宿に関する展示が充実しています。特に目的だったのは、二階の展示室にある「土蔵相模」そのものの精巧なミニチュアです。

Shinagawa photo映画で使われたのは勿論セットですが、それも緻密な考証を元に、文久2年当時の土蔵相模を実に丁寧に再現したものでした。このミニチュアも作りがそっくり同じなので、映画の舞台となった相模屋の、街道側の入口から入って階段を下りると海側の一階に出るという、表から見ると二階建て、裏から見ると三階建てという、傾斜地に建てられた特殊な立体構造がとても良く分かります。それに加えてミニチュア模型のそこかしこから、映画の登場人物たちが今にも出てきそうな錯覚にも陥ります。

Shinagawa photoまたこの二階の展示室には、開業した当時の品川駅(日本の鉄道開業は新橋・横浜間ではなく、仮開業の品川・横浜間の方が早い)のミニチュアもあります。さっき学生たちと品川駅に集合し、そこから歩いて渡ってきた八ツ山橋までが、明治5年当時の姿で再現されているのですが、これは映画の中で佐平治がおひさに言った台詞「十年もすれば世の中もすっかり変わるぜ」の通り、「幕末太陽傳」の舞台であった文久2年から数えて、丁度10年後の光景なのです。

Shinagawa photo品川歴史館には美しい庭園があり、その一角に松滴庵という茶室があります。昭和初期に建てられたこの建物は、かつては定期的に一般公開されていたようですが、老朽化が進んだ現在は保全のため、中に入ることは出来ません。外からだけその佇まいを見物させてもらい、今日の見学は終了。この後大井町駅まで歩いて戻り、そこで解散となりました。全行程約4時間を、ほぼ歩きっぱなしのツアーでしたが、全員無事歩き通しました。さて今日一日で、どんなことが記憶に残ったでしょうか。みんな、お疲れ様でした。

カテゴリー: 2・授業紹介, 三、四年生

領域研究・神志那弘志さん

Koujina photo5月19日に行われた授業、「領域研究」。今回のゲスト講師には、スタジオライブ社長で名アニメーター、TVアニメ「HUNTER×HUNTER」(日本テレビ版)の監督などでおなじみの神志那弘志さんが来て下さいました。お話はまず、アニメの仕事に就くということについてから始まりました。よく長時間労働が問題とされるアニメ界ですが、神志那さんは大好きなことを自分のペースで行うことが出来るアニメの仕事で、辛いと思ったことは一度も無かったそうです。

Koujina photo一方で低賃金については、以前に比べて単価は上がっているのにもかかわらず、画質が向上してより緻密な絵が求められ、その為枚数を多く描くことが難しくなってしまったことが問題と話されました。その他、絵の上手いアニメーターが絵コンテを描くと陥りがちな、描き込みすぎてしまう欠点のお話など、とても貴重なお話を伺った後、今度は実践的なパースの講義に移りました。

Koujina Photo神志那さんは持参したiPadを駆使してその場でスラスラと描きながら、カメラの高さ、水平線の位置、背景の基準となる長さの求め方など、論理的にそして具体的に説明して下さいます。

Koujina photo前後に離れて立つ、身長の異なる二人の人物では、一方の人物と同じ位置にもう一人の人物を仮に描き、その大小ある同一人物の身体の部位で全く同じ高さにあるポイントを見つけると、そこに水平線を引くことが出来ます。このような、実践的に活用できる考え方の重要なヒントを、短時間の中で要領よく説いて下さいました。

Koujina photo人物の後ろの背景を描く時も理屈は同じです。手前に立つ人物と同じキャラクターを、後ろの出入り口の位置に仮に立てます。その人物の身長が今度は基準となりますから、その人物より出入り口がどれくらい大きいかを考えていけば、人物より後方にある出入り口の大きさを正確に描くことが出来る訳です。神志那さんはこうした講座をこれまでにも数多く担当されていますから、説明はとても分かりやすいものでした。

Koujina photo授業終了後も学生が個別に質問に来たり、サインを求める学生もいましたが、神志那さんはじっくりと話を聞いて、「僕はサインだけというのはかえって嫌なんです。絵を描く人間なので。」と、一人ひとりに丁寧に絵まで描いてプレゼントして下さいました。貰った学生たちは大喜びでした。ゆったりと時間をかけて学生に接して下さった神志那さんでしたが、その後すぐにスタジオに戻って行かれました。本当は忙しい中で、あのように丁寧に対応して下さったことに、そこで初めて気付きました。神志那さん、本当にありがとうございました。

カテゴリー: 2・授業紹介, 三、四年生

領域研究・杉井ギサブロー監督

Sugii Photo5月12日に行われた授業、「領域研究」のゲスト講師は、毎日映画コンクール大藤賞を受賞した『銀河鉄道の夜』(1985年)や『あらしのよるに』(2005年)などを監督した、杉井ギサブローさんでした。

Sugii Photo授業はマイブリッジシアターで行われましたが、講義はまず2Dアニメーションの歴史から始まり、ディズニーの最初の長編作品「白雪姫」を上映しながら、そこで使われているマルチプレーン撮影などの技法についての解説がありました。続いて、日本で生まれた巨大なアニメーションスタジオ、東映動画の話に移り、長編3作目の「西遊記」が上映されました。因みにこの作品には、杉井ギサブローさんもアニメーターとして参加されています。

Sugii Photoそして時代はテレビ時代へ。それまでのフルアニメーションの概念を打ち破った、「鉄腕アトム」の誕生です。手塚治虫さんは動かないという批判に対し、「これはアニメーションではなく、アニメです」と言ったそうですが、杉井ギサブローさんは、これが現在に続く日本のアニメーション表現の原点を作ったと解説します。フルアニメーションでの滑らかな動きより、物語の見せ方や語り口に重点を置くことで、今や日本のアニメは世界にも高く評価される存在になったのです。

Sugii Photoこのやり方なら、表現できないものはない。そう思った杉井ギサブローさんは、1994年に監督した『ストリートファイターII MOVIE』で、ハリウッド映画が表現できることは日本のアニメでも充分表現できると考えて挑戦。最後はこの作品から、春麗とバルログが戦う迫力の格闘シーンを堪能して、授業は終わりました。

最後に杉井ギサブローさんから学生たちに送られたメッセージは、アニメ作りに関わるというとアニメーターばかりを考えがちだが、アニメーターはいわば俳優のようなもの。俳優ばかり何百人集まっても映画は出来ない。そこには他の様々な仕事を受け持つ人が必要です。だから皆さんも将来の進路を考える時、アニメに関わる仕事と一口に言っても沢山の選択肢があることを忘れないでほしい、という言葉でした。

僅か90分でしたがとても中身の濃い講義内容で、学生たちにはとても学ぶところの多い授業だったと思います。杉井ギサブロー監督、どうもありがとうございました。

カテゴリー: 2・授業紹介, 三、四年生

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