科目名 デザインマネージメント論(Design Management)
担当教員 岩谷 昌樹
単位数 2
授業区分 選択
年次配当 3
開講区分 2018年度 前期
科目概要 企業が経営戦略要素ないし経営資源としてデザインをマネジメントする「デザインマネジメント」の特質を実例に基づいて解説する。
到達目標 デザインマネジメントを実践している企業についての洞察力を高めることができ、自身のデザインワークのために生かすことができる。 
授業内容 本講義では、デザイナーのビジネス活動にとって必要不可欠となるマネジメント感覚について論じる。それは例えば、デザインする商品がつくりやすいかどうか(量産性の問題)、デザインする商品が売れるのかどうか(収益性の問題)といったことである。
一般に、ミクロレベルのデザインマネジメントとは「個別プロジェクトの完遂に関係する業務を包括する」ものである。また、マクロレベルのデザインマネジメントとは「事業目的の実現と競争優位性の獲得のために、デザインを最大限に活用する業務を包括する」ものである。現在では特に、企業内の活動におけるデザインの優先順位を上げた企業はイノベーションとクリエーションの増加という恩恵にあずかると見なされる。
また、通常のマネジメントとデザインマネジメントが異なるのは、次の2点に求められる。1つは、デザインが二項対立(人間主義と技術,消費者と事業など)の釣り合いを保つために機能することで、問題の解決法を提案できうるということである。いま1つは、デザインの視覚的要素(製品そのもの、パッケージ、ロゴ、ディスプレイなど)によって、市場においてその企業が競合他社や消費者から「見えている」ことを助けるということである。
前者は昨今、議論されることが多くなった「デザイン思考」の組み込みを呼び込むものである。後者はシグナルとしてのデザインの機能を説いており、もっと言えば「見えていて、しかも違っている」ことを分かりやすくさせることが、デザインマネジメントの役目であることを示唆している。本講義では、こうした点に注目していく。
授業計画 1.ガイダンス(各回のポイント、評価の方法など)
2.経験経済におけるデザイン・ベースの企業戦略
 スターバックス型経済における5つの経験価値
3.デザイン・ベースの企業戦略における「デザイン経験」のマネジメント
差異化‐違う土俵で戦うということ
4.グッドデザインによるビジネスモデルの構築(1)
デルタモデルにおけるグッドデザインでの顧客囲い込み
5.グッドデザインによるビジネスモデルの構築(2)
  アップル、グーグルのビジネスモデルのデザイン
6.イノベーションとデザインマネジメントの関連性(1)
  イノベーターのDNA
7.イノベーションとデザインマネジメントの関連性(2)
  イノベーションを推進する3つの段階的活動
8.ファンタジー経済とデザインのWowファクター(1) 
デザイン主導型の“FLAVOR”(1)
9.ファンタジー経済とデザインのWowファクター(2)   
デザイン主導型の“FLAVOR”(2)
10.コラボレーション経済におけるデザインとブランドの関係性(1)
  デザインのPowファクター、Y世代に向けたブランドの構築
11.コラボレーション経済におけるデザインとブランドの関係性(2)
CRUSHモデルに基づくデザインとブランドとの関係性
12.デザインによるブランディング(1)         
3つのDに基づくデザインとブランディングとの接続性
13.デザインによるブランディング(2)             
  顧客を推奨者に変えるためのデザイン
14.まとめ(1)及びレポート作成
15.まとめ(2)及び到達度の確認(学力考査)
履修上の注意 「経営学」を背景とする科目であるため、経営学分野についての基礎知識を授業以外の時間で積極的に学ぶことが望ましい。そうした学習により、本講義の理解力がより高まるからである。新聞では「日本経済新聞」の購読、テレビでは「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」「カンブリア宮殿」(以上、テレビ東京)、「がっちりマンデー」(TBS)の視聴を薦める。
準備学習(予習,復習について) ・講義は教科書に沿って展開するため、遅くとも2回目の授業日までには手元に用意し、教
科書を読むことで予習・復習を繰り返すこと。
・毎回の講義に教科書を必ず持参すること。 
試験方法 15回目の授業にて、筆記試験を行う。
教科書のみ持込可とする(補助的な書込み程度は可)。
成績評価方法 (1)筆記試験(15回目に実施)60点 
(2)まとめレポート(14回目に実施)15点
(3)小レポート(2~13回目 1回2点×12回) 24点
初回分についてはガイダンスのため、1点とする。
以上、3項目の合計100点満点で評価する。
※ 出席回数が全体の3分の2に満たない場合は、単位を与えない。

教科書等 八重樫文・岩谷昌樹
『デザイン・バイ・マネジメント』
青山社
2014年
2,000円(税別)
ISBN978-4-88359-326-2
備考
ルーブリック{http://www.t-kougei.ac.jp/student/kyoumu/rubric/2018art/233420.pdf}
卒業認定・学位授与の方針と当該授業科目の関連
{http://www.t-kougei.ac.jp/student/kyoumu/curriculum_art/}