科目名 無機物理化学特論(Advanced Lecture on Inorganic Physical Chemistry)
担当教員 南部 典稔
単位数 2
授業区分 院_選択 講義
年次配当 1
開講年度学期 2018年度 前期~後期
授業概要・学習成果との関連 有機溶媒に電解質を溶解させた電解質溶液は、エネルギ-貯蔵デバイス、有機電解合成等の分野で幅広く使用されている。本講義では、有機溶媒および有機電解液の基礎的な特性を決定する要因が何かについて分子論的に考察する。工業的に重要な炭酸エステル系、カルボン酸エステル系、エ-テル系、ニトリル系、アミド系、カルバメ-ト系、カルバミド系の比誘電率、粘性率、密度、屈折率、表面張力、ドナ-数、アクセプタ-数、導電率といった各種定数の大小を、電解質イオンや溶媒分子の構造、微視的相互作用と結びつけて議論する。教員と学生との間の双方向授業の形式や原著を基にした輪講形式により進める。
到達目標 ・有機溶媒および非水系の電解質溶液の物理的性質、化学的性質、電気化学的性質を、微視的立場から統一的に説明できる。
・エネルギ-貯蔵デバイスへの電解質溶液の応用の観点から、これらの特性を向上させるには、どのような電解質溶液の設計を行えばよいのかを説明できる。
授業計画 下記の内容を取り扱う。教員と学生との間の双方向授業の形式や原著を元にした輪講形式により進める。
 1. 溶媒および電解質(無機化合物、有機化合物)の分類
 2. 有機溶媒の物理的性質(比誘電率と双極子モ-メント)
 3. 有機溶媒の物理的性質(沸点と融点、粘性率と動粘性率)
 4. 有機溶媒の物理的性質(屈折率と分極率)
 5. 有機溶媒の物理的性質(質量密度と物質量濃度)
 6. 有機溶媒の物理的性質(表面張力と接触角)
 7. 有機溶媒の化学的性質(酸塩基反応、ドナ-数およびアクセプタ-数)
 8. 電解質の溶解と電解質イオンの溶媒和
 9. 電解質溶液中での導電率と輸率
10. 電解質溶液中での電気化学反応
11. 電解質溶液の応用(リチウム二次電池)
12. 電解質溶液の応用(電気二重層キャパシタ)
13. 液体と溶液の統計力学およびそれらの応用(分配関数を用いる方法)
14. 液体と溶液の統計力学およびそれらの応用(分布関数を用いる方法)
15. まとめと到達度の確認
履修上の注意 物理化学(特に、電気化学、反応速度論)、統計力学の基礎知識があることを前提に授業を進める。
準備学習(予習,復習について) 準備学習の詳細については授業中に適宜指示する。予習あるいは復習のためのレポ-ト課題を出題する。準備学習に要する時間は毎回約90分。

*各回の準備学習の具体的な内容は、「ルーブリックへのリンク」からルーブリックを参照してください。準備学習は1項目あたり15~30分の学習内容になっていますので、目安にしてください。
成績評価方法,試験方法及び課題(試験やレポート等)に対するフィードバックについて 授業中に行う理解度の確認(質問に対する回答、問題に対する解答、読解力)、課題に対するレポ-ト等により総合的に成績を評価する。レポートを適宜返却予定。
教科書等 授業の都度指示する。必要に応じて資料を配布する。主な参考書を以下に示す。
・Doron Aurbach, “Nonaqueous Electrochemistry,” CRC Press, 1999.
・W. Ronald Fawcett, “Liquids, Solutions, and Interfaces,” Oxford University Press, Oxford, 2004.
・Kosuke Izutsu, “Electrochemistry in Nonaqueous Solutioins, 2nd edn.,” Wiley-VCH, Weinheim, 2009.
・Thomas Reddy and David Linden, “Linden’s Handbook of Batteries, 4th edn.,” McGraw-Hill Professional, New York, 2010.
・Christian Reichardt and Thomas Welton, “Solvents and Solvent Effects in Organic ・Chemistry, 4th edn.,” Wiley-VCH, Weinheim, 2010.
・Jacob N. Israelachvili, “Intermolecular and Surface Forces, 3rd edn.,” Academic Press, Amsterdam, 2011.
・Jean-Pierre Hansen, "Theory of Simple Liquids, 3rd edn.", Academic Press, 2006.
(※学内限定となります。)