足跡

2017.10.4

プロフェッショナルな仲間で作った青春映画『りぷれい』

2017年卒業制作展スペシャルインタビュー
映像学科映像演出研究室:鈴木康平さん

2017年の「芸術学部卒業・大学院修了制作展」で印象に残った作品の制作者へのインタビュー。映像学科映像演出研究室の鈴木康平さんがプロデュース・監督した「りぷれい」は、卒業制作展期間中の上映でも多くの観客を呼び、評判になりました。鈴木さんに「りぷれい」の制作の話、将来の目標について伺いました。

注目を集めた青春映画

YouTube《『りぷれい』主題歌「りぷれい」(ちゃんぽんづ。)movie ver.》

卒業制作展で注目を集めた映画があります。映像学科映画研究室の鈴木康平さんが監督・プロデュースした「りぷれい」。
鈴木さんはリーダーとして現場のスタッフだけで30名近く、出演者も合わせると総勢80名のメンバーをまとめ、作品を作り上げました。

「りぷれい」は、高校が舞台の物語。写真部に入っている内気なヒロインがバスケ部のエースである男子生徒とそれを応援してきた女子生徒と出会い、3人で交流するうちに前向きになっていく。しかし、他の2人が付き合うことになり、3人の関係が崩れてしまう。落ち込んでいる中、愛用していた一眼レフカメラを壊してしまい、その代わりとして先生に古いデジタルカメラを渡される。そのカメラに、壊れたカメラに入っていたSDカードを入れてシャッターを押すと、なぜか、SDカードに入った写真を撮影した地点に時間が戻る。そのことを利用して、ヒロインは過去に戻り、運命を変えようとする。何度でも時間を戻り、失敗を重ねた彼女が見つけたものとは...。

SFでタイムリープ(時間が戻る)と呼ばれるジャンルの作品でありながら、その仕組みの説明などはバッサリと省略し、恋心や悪意など、ヒロインの心の動きを中心に描かれている所に好感が持てる作品でした。その事を鈴木さんに伝えると、「脚本を担当した学生のおかげです」と答えてくれました。鈴木さんは脚本だけでなく、多くのスタッフの力で「りぷれい」を作る事ができたと強調します。インタビューに答えてくれる鈴木さんは落ち着いて知的な印象、けれど、同級生について話すときには少し嬉しそうで、誇らしげです。

CMコンテストで最優秀賞を受賞

鈴木さんは高校を卒業後、社会経験を積んでから大学に入学したいと考え、ファッション業界で2年間働いていたそうです。そしてファッションショーの制作等で映像を扱った事をきっかけに、映像を勉強しようと思い、芸術学部の映像学科に入学しました。

入学時は漠然と映像の勉強がしたいとだけ思っていましたが、3年生に進級するにあたって将来の目標をCMプロデューサーにさだめ、山川直人教授のゼミに入ることに決めました。山川教授のゼミは「映像演出研究室(※現在は映画研究室)」という名前で、ドラマ制作志望の学生が多く在籍しています。しかし、山川教授自身、CMの演出の経験もあり、CM業界の第一線で活躍しているゼミの卒業生たちが特別講師として来ていただける実践的な授業もあるため、CMプロデューサーを目指す鈴木さんにも大きな学びになりました。

ゼミの活動以外でも、CMコンテストでの優勝を目標に、作品を制作することにしました。制作にあたってこだわった事の一つは仲間集め。映像学科には、撮影ならこの人、録音ならこの人というそれぞれのパートで優れた学生がいたので、鈴木さんが声をかけていき、研究室の枠を超え10人程度の学生が集まり、ベストなメンバーでコンテストに挑戦することができました。

YouTube《2015年学生TV「腹黒女のヒミツ。」黒烏龍茶》

そして、出来上がったのが、鈴木さんが企画・プロデュースを担当した「腹黒女のヒミツ。」というCM作品。「MADE IN OSAKA CM AWARDS」というコンテストで 見事学生部門の最優秀賞を受賞しました。そして、そこで培った人間関係が後の「りぷれい」の制作にも大きく活かされたのです。

「りぷれい」で映画に挑戦

「りぷれい」は駆け出しのモデルや役者である友人と共になにか撮れないかと考えていた企画でした。しかし、映像演出研究室の卒業制作は、ゼミ全体で協力し合い、CM3本、映画2本を制作しなければいけません。そのため、大学4年生の間は卒業制作が忙しくて他の作品は作れないだろうと考え、その個人的な企画であった「りぷれい」をゼミで提案し、卒業制作として採用され、プロデューサーと監督を兼ねることにしました。

「学生のうちにできる事を」と思い、あえてCMではなく映画の監督をする事になった鈴木さんは、不安もあったと言います。それは、演技の演出ができるかどうか。しかし、ゼミ仲間であるのドラマ志望の助監督の心強い支えがあり、乗り越えることができました。現場で迷った時には、アドバイスをもらいながら演出することもありました。

撮影担当は「腹黒女のヒミツ。」をはじめ幾つかの作品でタッグを組んだ気心知れた仲。その他のスタッフもゼミの学生以外は「腹黒女のヒミツ。」のメンバーに引き続きお願いし、手伝いたいと言ってくれた後輩も含め総勢30人がスタッフとして参加しました。

「りぷれい」は8月の下旬に集中的に撮影されました。ゼミの他の卒業制作の撮影予定もつまっているため、引き延ばすのは難しいギリギリのスケジュールでした。そのような中、ほとんどのシーンが昼間で夜には撮影が終わっているのにも関わらず、スタッフはそのままスーパー銭湯に泊まりこみ、打ち合わせを重ねたと言います。信頼できるスタッフと沢山打ち合わせをし、演出意図や情熱を共有していたからこそ、天候などのトラブルに見舞われても、スケジュール通り撮影を無事終わらせることができたのです。

卒業後は希望通り、CMプロデューサーとしてキャリアをスタートさせた鈴木さん。将来の夢はCMプロデューサーとして成長し、母校に特別講師として戻ってくる事だそうです。山川教授の授業で、鈴木さんが第一線で活躍する卒業生たちに刺激をもらったように、ご自身も後輩たちに刺激を与えられるような存在になりたいと思っています。

そして、「りぷれい」のスタッフたちも、多くが撮影やドラマといった映像の各分野へ進みました。鈴木さんが「また何年後かに再び集結して映像制作会社を作る事もできるほどの実力をもった仲間たち」と話す言葉通りに、映像学科の卒業生で作った映画やCMを見てみたいですね。

映像学科

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