言葉

2017.6.12

芸術学部の就職支援「学生一人ひとりの道をみつける」

中島信貴芸術学部就職委員長へのインタビュー

メディアアートは飯が食えるアート

芸術学部と言うと、将来仕事はあるのか不安に感じる方もいます。「我々の教えているのはファインアート(絵画や彫刻などの純粋芸術)ではなくメディアアート、飯が食えるアートなんです」と力強く語るのは芸術学部の就職委員長の中島信貴教授。

東京工芸大学には就職委員という役職についている先生が各学科にいます。そして、芸術学部全体の就職委員を束ねる就職委員長がゲーム学科の中島教授です。中島就職委員長はアニメーション業界の動画・原画担当からキャリアをスタートさせ、その後、ゲーム業界でディレクター、プロデューサーとして第一線で活躍されてきました。

中島就職委員長の考えるメディアアートとは、ご自身も経験されたアニメーション、ゲーム業界や、写真、デザイン広告業界など、産業界として成立している業界を支えるアートの事です。そういった業界に、いわゆる芸術家としてではなく、職業人としてフィットする人材を4年間かけて育成しているのが東京工芸大学の芸術学部。通常の授業でも、技術だけでなく、職業人として求められるコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力を磨くような指導をしています。

常に変化している業界の情報を就職支援に活かす

「芸術学部の学生が目指す業界は、常に変化している、最先端を探っていくような世界です」と中島就職委員長。そのため、就職委員の先生方は、常日頃から企業とコンタクトをとって、「来年度はこんな人材が欲しい」などの最新の情報を収集しています。その結果は、学生のポートフォリオのアドバイスにも活かされます。ポートフォリオとは学生がクリエイターとして就職活動をする際に用意する作品集です。

「例えば、同じゲーム業界でも、企業ごとに色があって、求める人物像がちょっとずつ違うのです。そのため、自分に一番向いている会社に合わせたポートフォリオ作りが必要になってきます。一人ひとりの希望に合わせた細やかな指導を行っています」

就職だけではない卒業後の進路

芸術学部の卒業生の進路は一般の企業への就職だけにとどまりません。イラストレーターやWebデザインの世界ではフリーランスの道も。なかには、自ら映像制作会社などを起業する道を選択する学生もいます。そういった卒業生の姿を学生たちに伝えていく活動も積極的に行っています。

「マンガ学科は、卒業したらみんなマンガ家になれる訳ではありません。アルバイトしながらマンガ家を目指す学生もいます。けれど、実は一般企業に入って創作活動を続けた方がリアリティのあるマンガが描ける場合もあります。『食べていくための社会経験も創作活動の大事な取材である』ということを学んでもらうため、実際に企業に勤めながら投稿を続け新人賞をとった先輩を講座に呼んだ事もありました」

食べていけるようになる、でも、自分たちのしたいことはできるだけ実現できるような道を一緒に探す事が芸術学部の就職支援と中島就職委員長。

芸術学部では、マンガ家など「夢」と言われるような職業を希望する学生も多くいます。そして、その道筋は一つではありません。その為、学生一人ひとりに合わせたきめ細かい支援をこころがけています。

(トップ画像:ポートフォリオブラッシュアップ講座)