研究

2018.12.18

19世紀の「古典印画技法」を現代に再現

芸術学部 写真学科 オルタナティブフォト研究室
吉田成教授

「古典印画技法」を使った手作りの写真制作

写真が銀塩からデジタルに変わり、様々な表現ができるようになった現在、この研究室では、あえて19世紀の「古典印画技法」を使った手作りの写真制作を試みている。

「なぜ『古典技法』か?それは『写真技術史』を本で学ぶだけでなく、過去の写真家が行った表現方法を実際に再現することによって、写真家たちがどのような想いで表現しようとしたのかを体で感じ、写真の本質を深く理解することが出来るからです。3年次には紙にアラビアゴムと絵の具・重クロム酸カリウムを混ぜたものを塗布し、その上にネガを重ね合わせて露光する『ゴム印画技法』を行い、4年次には卵白に塩を混ぜて紙に塗り、その上から硝酸銀溶液を塗って化合させ、そこにネガを重ねて露光する『鶏卵紙』による写真制作の指導を行っています。ゴム印画技法は、19世紀中頃から20世紀前半にかけて流行し、鶏卵紙は19世紀に主として使われた印画技法です。学生たちは現代の写真では表現出来ない絵画的な表現を新鮮に感じ、新たな写真表現の可能性を見つけていきます」と吉田成教授。

吉田 成 写真集 「 残された原風景 東京、佃・月島界隈 」 より

『縁』を大切に

吉田教授の専門は「写真表現」「画像保存」「写真史」。古典技法によって「写真史」や「画像保存」について学んだ学生たちは、そこから新たな「写真表現」に挑戦していく。

「学生たちにはいつも『縁』を大切にするように言っています。東京工芸大学は本当に良い大学だと思います。この大学で巡り合った教員や仲間たち、そして写真との縁を大切にして素晴らしい人生にしてほしいと願っています」

吉田教授と学生たちとの絆は深く、卒業生たちも吉田教授と生涯に渡る付き合いをしている人が多い。

学生の声

吉田先生は私たちのお父さんのような存在。どんな相談でも親身になって一緒に考え、深い愛情を持って私たちに接してくれます。写真のことだけでなく人間としての生き方を教えてくれる先生です。

写真学科

実践的な教育が写真に関わる全ての仕事で通用する真のプロを育てる。

1923年創立の「小西写真専門学校」をルーツとする本学科は、日本で最も長い歴史と伝統を誇る写真教育機関です。90年以上の歴史の中で培われた教育ノウハウは、他校の追随を許しません。写真技術だけでなく芸術分野の専門科目を学ぶことで総合力を習得。写真に関わるあらゆる領域で活躍できる真のプロフェッショナルを育てます。