研究

2019.8.19

「ゲームアート」から「アートゲーム」へ

芸術学部 ゲーム学科 ゲームアート研究室
中島信貴教授

個人の創造性を自由に表現できる時代

「ゲームは新しい時代に入っています。今まではゲームの中にアートの要素をいかに盛り込むかの時代でしたが、新しいゲームエンジンの出現により、個人の思想や創造性を核にして1人で独創的なゲームが作れる時代になったからです。『ゲームアートからアートゲームへ』と大きく変革しているのです。そこで問われるのは制作する人の芸術的センスとスキルの高さ。この研究室では個人の作家性を伸ばし、スキルを高めるための創作活動を行なっています。そのため、作品の制作はすべて個人で行います。」と中島信貴教授。

期待しているのは『今までに無い何か』

2年次までにゲーム制作の基本的な技術を身に着けた学生たちは、3年次には様々なカリキュラムによって創作活動を行う。例えば、富士山の近くで合宿を行い、そこで撮影した実写とスタジオで撮影した人物、3DCGで制作した映像を合成して制作するVFX作品など。また、本年度からは中野キャンパスに設置された「モーションキャプチャー」を活用して新しい表現にも挑戦していくと言う。

ゲーム会社でGM(ゼネラルマネージャー)等の要職を務め、企業が求める人材とは何かを熟知している中島教授は学生の就職には特に力を入れている。「企業は常に新しいコンテンツを求めています。みんなと同じモノ、既存のモノには興味が無い。若い人に期待しているのは『今までに無い何か』です。創造力に溢れ、独創的で確かなスキルを持っている人を企業は求めています。私はそういう人材を育てたいと思っています。学生たちを指導する中で『これは〇〇と同じだね』『〇〇と似ているね』という言葉をよく使います。それは今までに無いものを創り出すことを習慣として身に着けてもらいたいからです。」

VFX作品 3年次の課題作品。3DCGを使って映像を作成し、富士山合宿時の実際の映像と組み合わせて作品を制作。

学生の声

個人製作なので自分の表現したいことを自由に作れるのが魅力です。自分が求めている作品を作るには高いスキルが必要ですが、中島先生はひとり一人の能力に合わせて的確にご指導してくださいます。個人製作だからこそ、研究室の仲間はお互いを認め合い、とても仲が良いのが特徴です。

中島 信貴(なかじま のぶたか)東京工芸大学 芸術学部 ゲーム学科 教授

1956年、東京都生まれ。東京理科大学理学部物理学科卒。卒業後アニメーターとしてアニメ制作スタジオに入り「Dr.スランプ アラレちゃん」などの動画・原画を担当。その後、ビデオゲームに出会い、1981年に株式会社ナムコ(現、株式会社バンダイナムコゲームス)入社。業務用ゲームの企画・プロジェクトチーフ、ビジュアルディレクターなどを担当。2010年、ゲーム学科開設時に本学に着任。趣味は音楽。大学時代はオーケストラに所属し、楽器演奏や作曲を得意とする。作品の曲は自ら制作。

※所属・職名等は取材時のものです。

ゲーム学科

総合芸術としてのゲームを学び、遊びの未来をクリエイトする。

デジタルゲームは様々な要素を持っています。工学、数学、美学、文学、さらに心理学や文化人類学も重要なファクター。その全てを駆使して人を夢中にさせるものを創造するためには、ゲームを学問として学ばなければなりません。「未来の遊びを創造する」をテーマに、ゲームクリエイターの教員達が世界で通用する人材を送り出しています。