研究

2020.12.14

「コミュニケーション」をキーワードに 映像の新しい可能性を追求しています

芸術学部 インタラクティブメディア学科  映像エンターテインメント研究室

大久保 真道 教授  Masamichi Okubo


教員プロフィール

おおくぼ・まさみち
1963年東京生まれ。明治学院大学卒業後、アメリカのWayland Baptist大学で修士課程、Baylor大学で博士課程を修了。教育メディアを中心に、コミュニケーションツールの研究。1994年、本学に着任。現実空間からバーチャルまで、映像をはじめ、さまざまなメディアを介して行われるコミュニケーションと、それによっておこる人の変化や成長について理解を深めることを目指して、実践的に研究中。

本格的なデジタルネットワーク時代の到来

 新型コロナウイルスはあっと言う間に世界に広がり、私たちの生活を大きく変化させました。世界中の人がオンラインで会話をするようになり、仕事や会議もオンラインで行うようになりました。この流れはコロナが終息した後も元に戻ることはないでしょう。私たちの「映像エンターテインメント研究室」では最新のデジタル技術を駆使した映像作品の制作を行っています。デジタルネットワーク時代の中で映像が果たす役割はますます大きくなっています。近年はYou Tubeなどで誰もが映像を発信できるようになりました。また、技術の進化で映像作品が簡単に作れるようにもなっています。このように映像が溢れる世の中で重要になってくるのは「質が高く価値のある情報を発信する力」です。この研究室では映像の新しい可能性を追求しています。

映像で「コミュニケーション」を創作

学生作品:「包装戦士ダンボット」 オリジナルキャラクターを創造し、デジタル合成技術を駆使して制作したアクションヒーロドラマ

 映像エンターテイメント研究室では、それぞれの学生が作品のアイデアを持ち寄って、みんなで議論を重ねます。それらの議論を基に個人またはグループで映像作品を製作し、出来上がった作品はみんなで講評します。この作業を繰り返すのですが、3年次にはそれぞれが年間に6本以上の作品を制作しています。共通のキーワードとなっているのは、「コミュニケーション」です。コミュニケーションとは「自分」を発信して「相手」を共感させることです。それは自己開示をすることであり、自分を見つめることでもあります。コミュニケーションとは決して楽なものではありません。しかし楽しいものです。どんなにデジタル化が進む世の中になっても、オンラインの先にいるのは「人」です。人と人との関係を考え「相手の心つかむ」。それは映像表現だけでなく、社会で生きていくために最も大切なことだと思います。

様々な活動を通じて「コミュニケーション」を実践

beyond kawaii:展示の様子
「pZoo」:よこはま動物園ズーラシアと協働でワークショップ

 私は研究室だけではなく、コミュニケーションをテーマにした様々な活動を続けています。学内の留学生の交流の場を広げることを目的にした「F-プロジェクト」では作品の共同制作や支援コンテンツの制作を行っています。これは学部生、院生、研究生の誰もが参加できるイベントです。
 また、2009年から本学芸術学部の教員有志により実施している大学公開企画「beyond kawaii」では、ポルトガル、オーストラリアになど海外の大学と協力して作品を介したコミュニケーションと共同制作の取り組みを行っています。
また、よこはま動物園ズーラシアと協働でワークショップのイベントを長年に渡り開催しています。これらの活動を通じて得た様々なコミュニケーションの考え方や手法を教育の場に活かしています。

※所属・職名等は取材時のものです。

インタラクティブメディア学科

まだまだ進化する双方向メディアを学び、次代を拓く人材を目指して。

本学科の卒業生がエンターテインメントやアート、ITなど、あらゆる産業界で活躍できるのは“双方向性を備えた”インタラクティブメディアを習得しているから。学ぶ領域は非常に広く、時代のニーズを捉えた幅広いカリキュラムを用意しています。年次が上がるごとに、自分の目標とする領域を専門研究し、次代のメディアを担う人材を育成しています。