足跡

2017.5.19

友達の存在が私を成長させた

2017年卒業制作展スペシャルインタビュー
アニメーション学科:尾崎爽乃さん・金井千夏さん

2017年「芸術学部卒業・大学院修了制作展」で印象に残った作品の制作者へのインタビュー。
アニメーション学科尾崎爽乃さんの卒業制作の作品「withdrawal symptoms」でヒロイン「リッツ」の声を担当したのが同じくアニメーション学科で卒業制作をしていた金井千夏さん。大親友だというお2人に、どのようにして仲良くなったのか?なぜ金井さんに声の演技を依頼したのか?その経緯を詳しく伺いました。

グループ制作で最強のチームを作った

出席番号が近く、グループ分けされる授業で一緒になる事が多かったので、自然と話すようになったという尾崎爽乃さんと金井千夏さん。話してみると好きなマンガが一緒だったりして盛り上り、仲良くなるのに時間はかかりませんでした。

2人の1番の思い出は、2年生の時のグループ制作でした。こちらは学生が自分たちでメンバーを決めて共同でアニメーション作品を制作するもの。「2年生のグループ制作は大変だから2年生が始まる前の春にグループのメンバーを決めた方がいいよ」と先輩に言われていた金井さんは1年生の冬、真っ先に尾崎さんを誘いました。尾崎さんも即答で誘いにのりました。「金井さんは1年生の時からずば抜けて上手かったので是非一緒にやりたいと思ったんです」と尾崎さん。そこから2人で、春休みの間に「このひとだ」と思う人に声をかけていき、グループ分けの授業が始まる前には、メンバーはすでに5人になっていました。そこから、さらに2人増えて7人。先生から指定された人数の最大枠まで及び大所帯になりました。「作画枚数の多い方がいいですからね」と尾崎さん。

実際の制作は尾崎さんがプロデューサー、金井さんが作画監督になりました。信頼できる友人だと「何日までに描いて」と言っても実現してくれると信じられました。仮にできない場合も相談しやすい為、お互いにやりやすかったと言います。実際に出来上がった作品も、先生に「(戦略的すぎて?)ズルい」って言われてしまいましたが、高い評価を得ることができました。

お互いの存在が刺激になる

(左)尾崎爽乃さん(右)金井千夏さん

2年生のグループ制作を成功させた2人。正直、「他の子よりデキる」と感じるか聞いてみると、「全くそんなことはないです。例えば、CGだったらこの子、背景だったらこの子と、それぞれ自分より上手くて尊敬できるところがある人ばかりなので」と2人は答えます。

アニメーション学科では、マンガ家としても活動している尾崎さんは画力が優れている、金井さんは実際に絵を動かす作画の能力が高いなど、それぞれの優れている所や特徴を認め合える友達をいかに作れるかが大切です。それは、必ずしも好きなマンガが一緒という訳でなく、たとえ好きなものが違ってもお互いを認め合える関係だそうです。そういった友達が多いと、グループ制作で互いに協力しあって満足のいく作品を作ることができるのです。

また、友達の存在が卒業制作などの孤独な作業の時も奮い立たせてくれたそうです。3年生になった2人は別々の研究室に進みました。そのため会えない日が続く事もありました。そんな時でも、尾崎さんは先生から噂話で金井さんの事を聞くと「私も頑張らないと」と作品と向きあう原動力になったそうです。一方、金井さんも尾崎さんのマンガ作品を見て刺激を受けたそうです。

友達のためなら苦手なことも?

「withdrawal symptoms」のヒロイン「リッツ」

さて、尾崎爽乃さんの卒業制作の作品「withdrawal symptoms」のヒロインはどうやって選ばれたのでしょうか?

尾崎さんは、自分で担当した犬の声はうまくできたのですが、ヒロインも自分でやってみようと入れてみたら全くイメージに合わなかったそうです。「録音を手伝ってくれた友達にも『ちょっと、これはないわ〜』と言われてしまって」と尾崎さん。そこで、急遽ヒロインを演じてくれる人を探す必要が出てきました。すぐに顔が浮かんだのは金井さん。一方、金井さんは「自分たちで演技をした映像を編集する授業を一緒に受けたことがあって、いかに演技が下手か知っているのに…」と言いながらも、「困っているのなら」と引き受けたそうです。

尾崎さんの卒業制作にかける想いも聞いていた金井さんはプレッシャーも感じつつ、ひとつひとつ丁寧に演じたと言います。録音の時は尾崎さんが横について、その時のヒロインの心情を説明したり、実際に演技してみせたりして二人三脚でヒロイン像を作り上げた2人。以前とは比べものにならないくらい上手に演じきった金井さん。実際に作品をみても、等身大の魅力が伝わってきました。

自分より優れた所を発見し、刺激を受けたり、協力し合えたり、苦手な事にチャレンジして新たな発見があったり、お2人の話から、大学4年間の友達の存在の大きさが感じられました。