体験

2017.6.13

本格スタジオでマルチカメラを使ったドラマ撮影

2017年芸術学部スプリングスクール
【映像学科】レポート

プロも使用するスタジオで、カメラを操作する

東京工芸大学の学びが体験できるスプリングスクール、映像学科では中野キャンパス内のビデオスタジオを使用し、マルチカメラを使った実習を行ないました。ここは実際に情報番組のスタジオとしても使用され、3年次の実習や卒業制作ではプロの撮影スタッフと共に本格的な映像制作を行なう多目的スタジオです。映画制作研究室で指導する高山隆一教授に教えていただきました。

スタジオ内には喫茶店のセットが組まれ、男女1組の役者がテーブルについて脚本に沿った演技をします。3台のカメラが2人を囲み、1台は男性の顔、1台は女性の顔、もう1台は向かい合った2人を横から全体的に映しています。

3つの映像は1つのモニター上に映し出されます。そこで登場するのが、映像制作で、画面の切り替え操作を担当するスイッチャーと呼ばれる人です。スイッチャーは脚本を見ながら本映像に最適なカメラを選択し、タイミング良く「スイッチング」していくのです。複数の映像を交互に切り替える「カットバック」や、セリフごとにカットを変える「ダイアローグカット」などの技法の解説の後、参加した高校生たちは、実際に機器を操作し、目の前の役者の演技をライブでスイッチングしていきます。同じシーンでも、セリフを喋っている役者の顔を映すか、聞いている方の表情を映すかで印象が全く変わります。

スイッチングやカメラワークで「見えない情報」を伝える

参加者は3台のカメラもそれぞれ操作し、スイッチャーに提供する映像のアングルや最適な画面構成などを考えながら撮影します。同じ演技を撮影していても、カメラワークやスイッチャーの個性によって十人十色のシーンが出来上がりました。

演じられる人物がどんな服装をし、どんなカップでコーヒーを飲んでいるか、などの情報は映像だけで伝わります。スイッチングやカメラワークなどのテクニックによって、そのシーンの空気感や登場人物の内面など、映像に映らない情報を伝えることができるのです。

知のショートカット化

こうした技術や知識は現場での経験によって身に付いていくものですが、それには長い時間がかかります。これらを、理論を学ぶことでショートカットする「知のショートカット化」こそが大学で学ぶことのメリットだと、高山教授は言います。映像という表現自体の歴史もまだ浅いこともあり、映像教育には絵画でいえばデッサン、音楽でいえばバイエルのような確固とした教育プログラムがありません。映像学科ではこのようなスタジオを使った実践的な教習も含め様々な方法で、映像教育のより効果的なカリキュラムを提供し、技術習得のショートカット化をサポートしています。