体験

2017.5.22

『シン・ゴジラ』と『君の名は。』 大ヒット映画の秘密

2017年芸術学部スプリングスクール
【映像学科】体験レポート

東京工学大学の学びが体験できる芸術学部のスプリングスクール、2017年度、映像学科では講義と実習の二部形式で模擬授業が行なわれました。
前半は「ゴジラと君の名は 大ヒット映画の秘密」と題して、映画理論・映画史を専門とする西村安弘教授が実際の映像を比較しながら解説して下さいました。

ゴジラから、人々はなぜ「走って」逃げるのか

1954年公開の映画「ゴジラ」の中で、東京の人々はゴジラの襲来から走って逃げ惑います。かたやハリウッド版のゴジラでは、避難には自動車が使われます。もちろん撮影の時代の違いもありますが、オリジナルのゴジラ襲来シーンには、当時の人々がまだ鮮明に持っていた、東京大空襲の情景が投影されていると西村教授は言います。「逃げる」という表現だけを見ても、その映画の背後にある歴史や文化、製作者の経験などが大きく影響していることが分かるのです。

「シン・ゴジラ」と「君の名は。」の見えない繋がり

ゴジラが公開されたのは1954年11月ですが、同じ年の興行収入第1位を記録したのが第二次大戦下の日本を舞台にしたメロドラマ映画、「君の名は(第3部)」でした。
ゴジラに襲われる東京を撮影した特撮監督・円谷英二は「君の名は」においても空襲のシーンを撮影しています。終戦から9年目に公開されたこの2つの映画には、東京大空襲という大きな共通項がありました。
そしてご存知の通り、その62年後の2016年、ほぼ同じ題名を冠した2つの映画が興行収入の1位と3位にランクインするのです。その5年前には人々の記憶に大きな爪痕を残した東日本大震災がありました。

古いものを知らなければ、何が新しいのか分からない

目に見える映像というメディアの背後には、このように目に見えない膨大な情報が隠されているのです。
「映像だけでなく全ての芸術は、先行する作品を学び、身につけ、そこから逸脱することで新しい表現を生み出してきました。映像の歴史を学ぶということは、新しい表現を生み出すためにとても重要なのです。古いものを知らなければ、何が新しいのかも分かりませんからね」と西村教授は語ります。
今回の講義に参加した高校生たちは、今後、映像表現の見方が大きく変わってくるのではないでしょうか。