言葉

2017.5.1

まるで会社のような熱血ロボット製作サークル「からくり工房」

サークル活動
「からくり工房」

東京工芸大学には、日々、朝から晩までロボット製作に情熱を注ぎ、校内では「会社みたい」とささやかれる熱血サークル『からくり工房』が存在しています。

顧問は、ロボットのおもしろさを伝える伝道師的存在、工学部電子機械学科「ロボットビジョン研究室」の鈴木秀和准教授。およそ30名の部員が在籍しています。日本でもっとも歴史あるロボットコンテスト「全日本マイクロマウス大会」や「全日本ロボット相撲大会」など、いわゆる“ロボコン”に参戦しては、常に上位の成績をおさめ、国内では名の知れた存在です。

「からくり工房」と鈴木先生の「ロボットビジョン研究室」との合同チーム「RV-Infinity」は、「ロボカップジャパンオープン」の中型部門で、今年は初優勝も!彼らが一体どんなサークルライフを送っているのか、現役の部員たちにお話を聞かせてもらいました。

朝から晩までみっちりロボット研究

左が佐久間大貫さん(電子機械学科4年)、右が河内康希さん(電子機械学科3年)。

『からくり工房』は、ロボット製作が本気で好きな人だけが集まるサークルです。

入部したら、まずは学部とは別の独自のカリキュラムで、ロボット製作に必要な機械工作、電子回路、プログラミングに関する基礎を猛勉強。そこから、各自得意分野を伸ばしていきます。日々、どれぐらいの時間活動しているのか尋ねてみると、

「大会前の忙しい時期には、毎日、朝の10時から夜の9時が定時です。忙しい時には、夜の11時過ぎまで続くこともありますね。でも、僕たちはやりたいからやっていて、無理矢理という訳では、まったくないです。本当に好きな人たちだけが残っていて、とにかくみんな本気です。そういう雰囲気なので、周りからは会社みたいとよく言われます(笑)」

と佐久間大貫さん。

「全日本ロボット相撲大会」に出場時に登場した力士ロボット。20×20cm、重量3kg以内の規定がある。

入部して半年ほどで、人間でいうところの身体にあたるハード面を学べるロボット相撲班、ロボットの頭脳を支えるソフト面を学べるマイクロマウス班、ハードとソフトの両方が学べるロボトレース班と、3つのチームから所属先を決めます。

ロボット相撲班を選択した河内さんは、

「入部後も、どこにしようか決めていなかったのですが、全日本ロボット相撲大会を見学させていただきまして、その時にカッコイイなと思って、相撲ロボット班に入りました。実際に見ると、迫力がすごいんですよ!」

と熱っぽく語ってくれました。全日本ロボット相撲大会は、直径154cmの土俵上で、力士ロボット2台が3分3本勝負で戦う競技で、俊敏な動きと、激しいぶつかり合いは、かなりの見もの。出力モータの力を上手く制御し、思い通りに動作させられるかがカギだそうです。

「全日本マイクロマウス大会」の出場時に活躍した、手の平サイズのロボットたち。

トレース班に所属している佐久間大貴さんは、ハードとソフトの両方を学びたいとトレース班を選択。

トレース班では、白線に沿って走行するロボトレース競技用のロボットを作っています。このロボットは、自分で考えて動く自律型のロボットなので、白線を走りなさいというプログラミングを変えてあげれば、いくらでも応用が効くんですよ」

と静かに微笑む佐久間さん。サークル内で培った技術を生かして、将来どんなロボットを発明してくれるか楽しみです。

サッカーロボの製作は、各自の力を結集したチーム戦

「ロボカップジャパンオープン2017」で活躍した中型リーグのサッカーロボ。

そして、花形のロボットコンテストといえば、「からくり工房」と「ロボットビジョン研究室」の合同チーム「RV-Infinity」として挑む、「ロボカップジャパンオープン」。1チームにつき、サッカーロボ5台が戦います。

その動きを見せてもらうと、予想をはるかに超えた威力のシュートや、ボールが転がってきた時にさっと動いて行く手を阻んだりと、その賢さに驚かされます。

ロボットには、周囲360度見渡すことができる全方位カメラが搭載され、白線や敵の位置などをチェック、カーナビの現在地から最短ルート案内などの技術を応用し、ロボットからボールまでの障害物があったら、よけたりと、さまざまな機能が備えられています。

左から、舘野優也さん(電子機械学科4年)、大森浩ニ郎さん(電子情報工学専攻2年)、福元鉄平さん(電子情報工学専攻1年)。

副部長の大森浩ニ郎さんに、どうやってサッカーロボの開発を進めているのか尋ねると、

「このロボットは、ハードウェアやソフトウェア、電気回路に至るまで、すべて部員たちのみで設計しています。先生には助言してもらう程度で、部員同士で話し合いながら進めています。カメラを認識させる技術が得意な人、ハードウェアの設計が得意な人など、得意な分野をフルに活かして、チーム戦で挑んでいます」

とのお答え。サッカーロボの製作は個人では到底出来るものではなく、みんなの技術や知識を結集させ、やっと完成するそうです。だからこそ、サークルに対する1人ひとりの本気度が求められているんですね。

「からくり工房」部長 電子機械学科3年生の奥田拓弥さん。

「からくり工房」の部長は、代々学部の3年生が務めています。春に、先生や先輩たち“幹部会議”で、しっかりとまとめられそうな人材として奥田拓弥さんが抜擢されました。コワモテだから強制力を発揮するなんて、噂も!?

「部長と言っても、3年生のため、研究室の先輩と新しく参加したメンバーの橋渡し役というか、中間管理職的な役割です(笑)。プロジェクトリーダーに指示されたことを後輩や同年代たちに伝えています」

今回は「ロボカップジャパン」にも初参戦し、その迫力に感動したそうです。

「僕は先輩が開発したものを量産していく担当で、機械で1枚の板からパーツを取り出したり、追加工といって、穴をあけたり、同じ作業を繰り返しました。初参加だったので、サッカーロボ全台が一斉に動く姿を初めて見た時は、うわ、すごいなー!と感動しました。しかも、初めて参加した年での優勝でしたから、これからもさらに頑張って、良い結果を残していきたいです」

電子情報工学専攻2年の吉田哲也さん。

最後に、プロジェクトリーダーの吉田哲也さんから、これから入部したいと思っている学生へメッセージをいただきました。

「サッカーロボを1台作るには、およそ100万円ものお金がかかります。いくら大学とは言え、この金額をかけて製作させてもらえるのは、稀だと思います。うちの大学は、ロボット研究に相当力を入れていて、エンジニアとして働くOBのみなさんも、よく顔を出して、アドバイスをして下さいますし、ロボット好きにとっては、最高の環境が整っていますよ!」

ロボット製作で培った技術は、社会人になって即戦力として役立つため、ここ数年、卒業生の就職率は100%という事実もあります。今年はあっという間に、全員が大手企業への就職が決まったそうですよ。大学生になったら、本気で夢中になれることを始めてみませんか?