研究

2021.3.10

照明の「光」で通信する技術を開発

工学部 工学科 総合工学系 電気電子コース コンピュータネットワーク研究室

行谷 時男 准教授 Tokio Yukiya

教員プロフィール

ゆきや・ときお
1969年神奈川県生まれ。本学の工学部を卒業後、金属加工装置メーカーに就職。退職して東京工芸大学大学院に進学。博士課程修了・博士(工学)。1997年本学の教員として着任。レーザ分光や原子間力顕微鏡を利用したナノメータサイズの加工方法の研究に従事。現在は高出力発光ダイオードを用いた可視光通信に関する研究を行なう。趣味はサイクリング、写真、スキー、オートバイ等多岐に渡るが、最近は娘と行く釣りを一番の楽しみにしている。

世の中に無いモノを作る


 「光で通信する」と言うと、皆さんは光フィイバー通信を想像されると思いますが、私の研究室では照明のライト(可視光)を使った通信の研究を行なっています。照明の光はその場にいる多くの人々を照らします。このように可視光デバイスに通信機能を持たせれば、一度に多くの情報を伝達することができるようになります。
 私は白色LEDが発明された時から「可視光通信」の可能性に着目し、実用化に向けた研究を行なっています。この技術が実用化されると、例えば、駅構内の照明から運行状況などを送信して、ネットワークに接続せずにスマホ等で受信することが可能です。また、現在は自動運転に関する研究が盛んに行われていますが、信号機の光から地図情報、位置情報が送信されたらカーナビなもっと高機能になります。また、自動車のテールランプに情報機能を持たせることによって、前の車の走行情報を後の車に伝えることも可能になります。

実用化に向けて難題に挑む

可視光通信システム図

 照明の光によって情報を伝える技術(可視光通信)には様々な可能性が期待できます。しかし、この研究を行なっている研究機関はごくわずかです。私たちの研究室ではすでに可視光による通信ネットワークの実験は成功していますが、実用化に向けては様々な難題が残っています。
 例えば光を受ける「受光器」の感度をいかに高くするか。この問題は独自の技術を開発しました。現在はより高いレベルにするための研究を行なっています。その他にも、LED電源が出すノイズをいかに軽減するか、発熱にどの様に対応するかなど、難題は山積みです。
 これらの問題を解決するために研究室の学生たちはそれぞれがテーマを決めて取り組んでいます。「コンピュータンネットワーク研究室」は現在あるネットワークシステムを活用した研究ではなく、まったく新しい通信手段を作り出そうとしているのです。

「作りたいものを作る」ゼロからの挑戦


 今までに無い新しいモノを作る。それはからの挑戦です。世の中にないものを作るのですから、設計し必要な電子部品を探しだすところから始めます。大変な作業ですが、誰とも競合しないオリジナルな技術を開発することができます。現在はLSI(大規模集積回路)によってアイデアさえあれば好きなものが作れる時代。学生たちには「作りたいものを作れ」と言っています。自分のアイデアでオリジナルな技術を開発するのですから、大きな「やりがい」を感じながら学生たちは研究に打ち込んでいます。
 この研究室の卒業生の多くはコンピュータプログラムに関連した企業に就職していますが、自らのアイデアをゼロレベルから構築する力を身に付けているので、優れた人材として社会の中で活躍しています。

※所属・職名等は取材時のものです。

電気電子コース

現代社会に必要不可欠な技術エレクトロニクスを学び未来社会で貢献する能力を身につける

全ての産業の根幹であるエレクトロニクスを学び、未来を体感できます。最大の特徴は実験・実習にあり、回路製作やコンピュータを使ったモーターや表示装置の制御、材料の特性測定など、興味深い内容が目白押しです。少人数指導で安心して学びに挑戦できます。