仕事

2017.6.17

化粧品・食品だけでなく犯罪捜査も?化学のプロになる

生命環境化学科
2017年春のオープンキャンパスにて取材

化学の世界はこんなに広い!

フラスコの中でブクブクと泡立つ液体、複雑な形の分子構造の模型。異なる物質同士を混ぜ合わせて新しい物質を作り出すことができるなんて神秘的で魔法のよう…。化学と聞くと、そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、そんな魔法のような化学の力は、身近なところで活かされています。

例えば、わたしたちが毎日使う携帯電話やスマートフォン。これらには「ポリイミド」と呼ばれるフィルムが使われています。ポリイミドは薄く、柔らかいので折り曲げて使うことも可能なので、小型のスマートフォンなどの電子回路基板を作るのに役立っています。

さらに、食品や化粧品の分野でいえば「シクロデキストリン」の存在が欠かせません。シクロデキストリンは、ドーナツのような形をした化合物です。ドーナツの穴の中には、別の分子が出入りすることができます。例えば、この穴の部分に苦味成分を取り込めば、苦味を抑えた食品の開発につながります。また、化粧品の有効成分を入れておくと、有効成分が徐々に肌に良い効果を示したりします。

このようにポリイミドもシクロデキストリンも、便利で豊かな暮らしをつくるためには欠かせないものです。日々便利で画期的なものが生み出されていますが、その陰には化学の力があるということなのです。

こんなところにも化学の力!?

実は化学が担う仕事は、物質を混ぜ合わせて新しいものを作り出すといった「ものづくり」だけではありません。わたしたちの身近に存在するものを調べる「ものしらべ」も化学の役割です。

例えば、事件を解決する鍵を握る犯罪捜査。犯罪捜査といえば指紋採取をイメージする方も多いでしょう。テレビでも事件が起こった現場でポンポンと白い粉をつけているシーンを見たことがあるかもしれません。これは粉末法と呼ばれており、アルミニウム粉をはじめとした様々な化学物質を調合した粉を使います。また、血痕を見つけるために使われるのがルミノール反応です。化学物質を混ぜた溶液を吹きかけることで、血痕がある部分が青く光って浮き上がるという反応を利用した捜査方法です。このように、事件当時の様子を調べるためには化学が欠かせません。実際に生命環境化学科の卒業生も科学捜査研究所で活躍しています。

現場で役立つカリキュラム

そんな化学をより実践的に学ぶため、生命環境化学科ではカリキュラムにも工夫をしています。

例えば水環境学関係の実験授業では、フィールドワークが取り入れられています。サンプルの採取から分析まで全ての流れを体験することができるのです。川の水を汲み、タンクに入れて大学へ持ち帰ります。持ち帰った川の水がどのくらい綺麗なのかを分析し、その結果を発表します。

ただ座って理論を学ぶだけでなく、自分の手と足を動かして経験をする。そうすることで、調査の流れがしっかりと記憶に定着します。そのため、将来現場ですぐに役立つ力を身に着けることができるのです。

幅広く活躍できる人材を育成

生命環境化学科は学科名にも入っているように、生命を守るための化学、環境を守るための化学を学びます。具体的には、先述したシクロデキストリンや、水環境、人にも環境にも優しい燃料電池など幅広い視点から化学の研究を行っています。

生命環境化学科では学生の好奇心や興味を大切にし、より幅広い分野で活躍できる人材育成に力を入れています。幅広い知識と即戦力を身に着けることで、将来は化学のプロとして活躍できることでしょう。