言葉

2017.6.10

「食べる」を守り進化させる化学の技術

生命環境化学科
2017年春のオープンキャンパスにて取材

食品を学ぶといえば…?

「食品のことを学びたい!」

食品を学ぶことは今も昔も根強い人気があります。わたしたちが生きていく為には「食べる」ことが必須であり、それを支える食品に惹かれるという学生が多いのでしょう。
しかし、一言で「食品」と言っても、実は色々な学びの切り口があります。例えば、理系女子たちに人気の栄養学。これは食品に含まれる栄養素と人の健康について学びます。また、農学や畜産学も食品に関係する分野であり、実際に食品を生産するということを学びます。
栄養学も農学も畜産学も、全てその根底にあるのは化学です。例えば、最近話題のトクホや遺伝子組み換え、鳥インフルエンザの問題など。より美味しく、健康的な食品を生み出したり、食品に関わる病気を分析したりするのにも化学が欠かせません。今回は、そんな食品の世界を支え進化させる「化学」についてみていきましょう。

化学を活かした食品分野の最先端技術

野菜を育てるのは畑だけ?

いいえ、実は近年は野菜も工場で作られる時代です。例えば、国内のある植物工場ではレタスを1日に1万個程出荷しているのだそうです。

「一体どうやったらそんなに作ることができるの!?」と驚く方も多いでしょう。実は、植物工場では、工場内の二酸化炭素濃度を高めたり、様々な色のLEDライトを当てることなどにより植物の成長を促進しています。環境を整えることにより、植物は通常の6~10倍もの速さで成長するのです。

「工場」と聞くと閉鎖的で何をしているか見えず、何となく不安に思う方もいるかもしれませんが、ご安心ください。工場は衛生管理を徹底しており、雑菌がほとんどいない状態をキープしています。これにより、衛生的であることはもちろん、食品自体も長持ちするようになっているのです。また、天候にも左右されることもないので安定的に野菜を生産することができます。わたしたちが季節を問わず毎日食材を手に入れられるのは、このような化学の貢献があってこそなのです。

食品分野で活躍しよう!

上の例に見られるように、化学と食品の関係はとても幅広いものです。食品化学という言葉が示すのは、このごく一部に過ぎず、生鮮食品の生産や保存、食品の加工・流通まで広がっています。また、栄養強化食品などの機能をもつ食品の分野においても、化学がめざましい進化を引き出しています。

食品分野は化粧品分野や医薬分野ともつながっている

化粧品の原料は自然の植物からたくさん作られています。医薬の分野でも、わかりやすい例ならば漢方薬ですが、有効成分をたくさん含む形で植物を育てる方法が求められています、このように考えてみると、化粧品分野や医薬分野が食品分野とつながってみえてきます。化学を学ぶということが食品を学ぶということをはるかに越えた魅力を持つことがわかります。