体験

2018.2.2

「色をつくる」体験ワークショップ

KOUGEIカラーサイエンス&アート
カラボギャラリー

子どもから大人まで、「色」の科学的・芸術的な面白さや奥深さを体験できる「Col.lab Gallery(カラボギャラリー)」。
2018年3月17日(土)まで開催される「色をつくる」展の連動企画「色をつくる体験ワークショップ」が小・中学生を対象に行われました。10月15日は「カラーミキサーを作ろう」、11月11日は「偏光色を楽しもう」の2回にわたり開催。メディア画像学科の2人の教授がオリジナルの制作キットと授業を用意しました。2日で合計67組の親子が来場し、「カラーミキサー」や「隠し絵」の制作を楽しんでいました。

「カラーミキサー」を作ろう

「カラーミキサー」を持っている中楯末三教授

10月15日は光の三原色のLEDライトを使った「カラーミキサー」の制作体験が行われました。担当は、メディア画像学科の中楯教授。レーザ光を使った立体画像の研究等をされています。

ワークショップは、中楯教授がスマートフォンの拡大鏡アプリを使ってパソコンのディスプレイを拡大して見せてくれることから始まりました。観察すると、赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)の3つの光が粒のように網目のように表示されていることに気がつきます。パソコンやテレビなど発光することによって色を表現する媒体は、実は赤、緑、青の3色の明るさの割合によって色を再現しているのです。それが光の三原色。RGBと略称で呼ばれます。

授業では、ディスプレイで使われるRGBと印刷で使われるCMYKという色の再現方法との違いや、光や私たちの目の構造の説明を通じて「どうして色が見えるのか」を教えてもらいました。

そして、いよいよ「カラーミキサー」の制作に移ります。まずは、ケーブルをボードに配線するところから。その後、各部品やLEDライトも説明書を見ながら取り付けていきます。メディア画像学科の先生や学生が会場を歩き、困っている人がいると声をかけます。「LEDライトは足を広げてから挿すといいよ」と先生がアドバイスして、うまく取り付けることができた参加者もいました。解説書だけではわからないちょっとしたコツも教えてもらえるので安心して作業を進めることができます。

LEDライトの点灯確認では「電気がついたよ!」と大喜びする子どもたち。その後、紙製の枠を取り付けて「カラーミキサー」は完成しました。

そのままでもランタンのようですが、切り口からマスク(黒色で単純な絵が描かれたOHPシート)を差し込むと上部に絵が映し出されます。抵抗器のつまみを回し赤、緑、青それぞれの色のLEDライトの光の強さを変えることで紫色やピンク、黄色など様々な色を作り出すことができます。赤、緑、青が均等に混ざるところは白色に。RGBの色表現を手動で再現することができました。

偏光色を楽しもう

「隠し絵」を持っている陳軍教授

11月11日の「偏光色を楽しもう」は液晶テレビなどに使われている偏光板とセロハンテープを使って白い光から綺麗な色を取り出し、万華鏡のようなステンドグラスのような美しい「隠し絵」をつくりました。「『今日はお勉強しにきました』と話してくれた子がいて、とても嬉しかったです。楽しみながら学びましょう」と語るのはメディア画像学科の陳教授。光やレーザの応用を専門に研究されています。

前回のワークショップと同様、光や色についての授業から始まりました。「白はよく、純白など純粋な混じりっけのないもののように言われますが、光の世界では違います。色んな色の光が交わりあってできたものが白色なんですよ」とユーモアもまじえながら光の色について説明して下さいました。雨上がりに空にかかっている虹が光の色の正体。赤、橙、黄、緑、青、藍、紫、全部で七色だと言われています。また、光の色は、それぞれ波になっており、波1個分の長さには違いがあります。それは空の色で理解ができます。昼の空が青いのは、青い光の波が短く空気層の分子に拡散されて青の光だけが四方八方に向かうからです。そして、夕焼けが赤いのは、遠方の空気層により短い波の青い光が見えなくなり、長い波の赤い光だけ残って見えるからです。

「授業はこの辺にしておきましょう」と陳教授が取り出したのは偏光板。一見するとただの黒い透明フィルムです。それをパソコンのディスプレイにかざすと偏光板が真っ黒になりディスプレイが見えなくなってしまいました。偏光板を90度回転させるとなぜか透明になり向こうのディスプレイが見えます。また、偏光板を2つ重ねて片方だけを90度回転させると真っ黒になってしまいます。

偏光板は目に見えない格子状の筋があり様々な方向に振動している光の波のうち、筋に対して垂直方向の光は通すことができますが、筋と同じ方向の光は遮ってしまうのです。偏光板を回転させることにより筋の方向が縦や横に変化することで、ディスプレイの光を通したり遮ったりするのです。また、縦方向と横方向の偏光板を重ねると、どちらの光も遮られ、真っ黒になってしまいます。

教授はもう一つびっくりする実験をしてくれました。2つに重ねた偏光板の間に、デパート等で洋服を包んでくれる透明のセロハン紙を入れてみると、黒い偏光板が透明になったのです。そのセロハン紙をくしゃくしゃにするとそこの部分が様々な色になります。

同じことは私たちが普段使っている透明なセロハンテープでも再現でき、今回は、2枚の偏光板とセロハンテープを使って「隠し絵」を作ります。

まずは、丸型、星型の隠し絵を作りました。プラ板にセロハンテープを貼っていきます。角度を変えながら隙間なく様々な方向に貼るのがポイント。このセロハンテープの厚みの違いで色の出方が変わり、多いほど複雑で美しくなるためです。テープを貼り終えたらプラ板をそれぞれの形に切り出ししたら完成です。

セロハンテープを沢山貼った透明なプラ板を2枚の偏光板の間に挟むと様々な色が浮かび上がりステンドグラスのようになりました。そして、偏光板の1枚を90度回転させると万華鏡のように色が変わります。

今回は、富士山型の「隠し絵」も制作しました。富士山型はセロハンテープではなく透明のPPシート(文房具店で販売されているカード入れを切ったものです)を使います。PPシートの「PP」はポリプロピレンという素材の略。同じように透明でも塩化ビニール製のプラ板とは素材が違います。PPシートやセロハンテープは偏光板に挟んだときに色の変化がありますが、塩化ビニール製のプラ板は色の変化がありません。

出来上がった富士山型の「隠し絵」。偏光板に挟まないときは透明、挟んだら緑色の富士山が、偏光板の1枚を90度回転させると夕日が当たったような赤富士に変化します。透明なシートから様々な色の絵が浮かび上がるまさに「隠し絵」です。

今回のワークショップはどちらも、色や光についての授業と、その実践である制作の盛りだくさんの内容でした。付き添いのお父様、お母様が夢中になって作る場面もありました。授業がちょっと難しかった小学生も、出来上がった「カラーミキサー」や「隠し絵」を「きれーい」「みてみて」と何回も動かしていました。難しい科学の知識が美しいものを作った感動と一緒に記憶の片隅に残ってくれると嬉しいですね。

メディア画像学科

さらに進化する画像情報の知識・技術を得て高度な情報通信社会で貢献できる人材となる。

情報伝達において最も有効な画像情報とそれを伝えるメディア(媒体)を活用するために必要な知識・技術を習得できる学科です。
近年の情報機器やネットワークの進化を踏まえ、時代が要請する画像(イメージング)関連技術のハイレベルな学びに対応。高度な情報通信社会の発展に貢献できる人材を輩出し、各界から高い評価を得ています。